高速道路の渋滞「いちばん早く進む車線」とは? “なんとなく”じゃないテクニック 専門家に聞いた

渋滞している高速道路では、隣の車線のほうが早く進みそう……と思うかもしれません。実際、どの車線が早く進むのか、専門家に話を聞いてきました。

「車線減少」による渋滞時はウラをかけ!?

 高速道路で「この先渋滞中」「渋滞○km」「通過に○○分」などといった電光掲示板を見ると、思わずガッカリしてしまうものです。そのまま進むと、多くのクルマが後続車に渋滞を知らせるためにハザードランプのリレーが始まり、渋滞へ突入……これもまた気分が沈む瞬間です。

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3車線道路の渋滞中、どの車線が一番早く前に進むのか(画像:写真AC)。

 こうした場面では、多くのドライバーが「少しでも早く進める車線にいたい」と考えることでしょう。しかし実際のところ、どの車線がスムーズに進むのかは、なかなかわかりません。

 そこで今回は、交通心理士であり、近畿大学理工学部(物理工学科)准教授の島崎 敢先生に、片側3車線の高速道路を想定して「渋滞時にどの車線が進みやすいのか」について解説していただきました。

 もちろん、「どの車線がもっとも早く進むか」は、道路の構造や、渋滞の要因となっている車の動きなどによって大きく変わります。そのため、一概に「この車線が正解」とは言い切れませんが、それでも島崎先生によれば「一定の傾向はある」とのことです。

「たとえば、その先に『車線減少』があり、それが原因で渋滞が発生している場合には、『減少する側の車線』のほうが意外にも早く進むことがあります。その理由はシンプルで、車線変更には距離とタイミングが必要なため、とくに運転に不慣れなドライバーほど早めに減少車線を離れようとする傾向があります。その結果、減少車線の交通量が他より先に減り、スペースが生まれて進みやすくなるのです。

 また、3車線すべてが渋滞しているようなケースでは、減少する車線とは反対側の端の車線が比較的スムーズに流れる傾向があります。

 たとえば、右側の車線が減少する車線である場合は、中央車線を挟んだ左側の車線のほうが、影響を受けにくいということです。これは、減少車線の隣には多くの車が合流しようとして集中し、流れが悪くなりやすいためです。反対側の端の車線は、その影響を比較的受けにくくなるのです」(島崎先生)

【全然違う!?】渋滞の影響は車線選びで変わる(写真)

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