日本一“ハードルが低い”JR特急の個室とは? まるで「走る役員室」 お得だけど「もっと乗っていたい」必至!?

ちょっとしたセレブ気分を味わえる特急列車の個室利用には、高額な料金を伴うことがしばしばあります。ところが、ちょっと奮発すれば手が届く"お買い得"個室も存在します。

他にもあるぞ787系の“神席”

 787系の一部編成の場合、普通車ながらグリーン車に匹敵する”お買い得”な座席があります。ひとつは、普通車なのに座席の足元の前後間隔がグリーン車と同じ1.2m確保された区画です。中間車1両の半分にある区画で、足元を広くしているのにはれっきとした理由があります。

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787系の普通車の座席には、かつて運行されていた特急名「つばめ」のローマ字表記も(大塚圭一郎撮影)

 この区画は特急「つばめ」時代にビュッフェがあった場所で、改造によって座席が設置されました。しかし、天井がドーム状になっているため他の車両にある荷物棚を設置できず「代わりに足元を広くし、荷物を置けるようにした」(JR九州関係者)とか。

 リュックサックやポーチといった小さな荷物を持った旅行者に人気があり、JR九州は「この区画が指定席として運行されている列車では、他の座席より先に予約が埋まることが多い」と説明します。

 もうひとつの”お買い得”な普通車は、同じ車両の残る半分の空間にあるガラスで通路と仕切られた半個室「セミコンパートメント」です。2人用座席が向かい合ったボックスシートを配置し、中央に置かれたテーブルの窓際にはランプもあります。

 指定席として運用される列車では3人または4人一組での利用が必要ですが、「きらめき」や主に博多―肥前鹿島(佐賀県鹿島市)を結ぶ特急「かささぎ」などの一部列車では、この中間車が自由席で運用されています。これらの列車では乗車券と割安な自由席特急券を買うだけで、グリーン車と同じ前後間隔の座席や、セミコンパートメントを堪能できます。

「お、ねだん以上。」の”お買い得”な座席の居住性を確かめるため、特急列車に乗り込んではいかがでしょうか。

【お買い得すぎるっ!!】これが787系の「ひとり1000円ちょっとから乗れる」個室です!(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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