巡航ミサイルじゃないの!?「誘導爆弾+ジェットエンジン」新兵器 裏にはフランスの切実な理由が

2025年6月下旬に開催されたパリエアショーで、フランス企業が開発したミサイル改造の空対地誘導弾が初展示されました。なんでもターボジェットエンジンを搭載しているとか。ミサイルと何が違うのでしょうか。

フランス版JDAMの改良型

 2025年6月下旬にパリのル・ブルジェ空港で開催された「パリ国際航空宇宙ショー(パリエアショー)」において、フランスの防衛企業サフラン・エレクトロニクス&ディフェンス社は、地対空ミサイルAASMを改良した「AASM XLR」を初めて展示しました。

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運用テストで、アメリカ海兵隊のF-35Bから投下されるJDAM。フランスはこの種のステルス戦闘機を持っていない(画像:アメリカ海兵隊)。

 AASMはフランス空軍に2007年から配備が始まったミサイルで、既存の通常爆弾に誘導キットを組み合わせたモジュラー型兵器です。

 この方式の誘導兵器としてはアメリカのGPS誘導爆弾「JDAM」が有名ですが、AASMも同じGPS誘導方式のためフランス版「JDAM」と形容できるでしょう。

 ただ、AASMは推進装置としてミサイルと同じロケットモーターが搭載されているため、射程が最大50kmと長いのが特徴です。これにより、敵の短距離・中距離の地対空ミサイルの射程外から攻撃することが可能です。これは、いわゆる「スタンドオフ能力」といわれるものになります。

 今回展示された「AASM XLR」は、推進装置をロケットモーターからターボジェットエンジンに変更しています。ロケットモーターは短時間で燃焼が終わってしまうのに対して、ターボジェットは継続して推力を生み出すため、最大射程もこれまでと比べて3倍の約150kmまで延長しているといいます。

【ダブルカナード翼!?】これがフランス版「スタンドオフ」JDAMです(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. ASM なら空対地ミサイルですよね…