「スズキ、そう来たか!」 他社に真似されまくって消えた「原付初のアメリカン」 独特スタイルの名車「マメタン」とは?
日本初の「原付のアメリカンモデル」として登場したスズキ・マメタン。これがきっかけとなり、その後各社から同様のコンセプトのモデルが登場します。ここでは、「小さくても本格的なアメリカンモデル」の系譜をたどります。
他社の原付アメリカン登場の影響も受け、後に生産終了に
前述のような凝った仕様でもあり、マメタンは一躍人気モデルとなりました。発売翌年の1978年には、フロントにディスクブレーキを採用し、当時としてはかなり真新しかったであろうフレアー(炎)パターンのデカールをあしらったモデルが登場しました。
さらに、1979年にはディスクブレーキとキャストホイールを搭載した「マメタンE」へとマイナーチェンジを果たします。カタログの「ソウルフルバイク」というキャッチコピーの通り、当時の原付ユーザーの心を掴もうとする意気込みでしたが、その後は各社から相次いで原付アメリカンモデルが登場し、次第にマメタンの存在感は薄れ、やがて生産終了となります。
現在でも、レジャーバイクファンやコアな原付ファンの間では評価が高い一方、原付市場に新風を巻き起こした重要モデルにあるにもかかわらず、意外と知名度は高くありません。
とはいえ、「前例がないからこそ、独自のバイクを開発するのだ」といったスズキの独創性が込められた1台であることに変わりはなく、今あらめて評価されるべき「小さな名車」だと思います。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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