「軍隊の航空機=戦闘機じゃないの?」←違います! 戦わない軍用機ってナニ? 民間企業が飛ばす “まんま戦闘機”なんてのも
現代戦には必須といえる航空機ですが、軍隊が使うからといって、すべて戦闘用の航空機=戦闘機ではありません。では、軍用機と戦闘機は何が違うのでしょうか。実は見た目が戦闘機ソックリながら、戦えない軍用機や民間機もあります。
まんま戦闘機の姿なのに戦わない軍用機って?
逆に軍用機の民間機仕様というものも、数は少ないながら存在します。航空自衛隊でも運用しているC-130輸送機には、民間機仕様の「L-100」と「LM-100J」という貨物機があり、不整地滑走路の多い北極圏をメインに運航している貨物航空会社などで、軍用輸送機譲りのタフな離着陸性能を発揮し、活躍しています。

では、戦闘機とはどういうものなのでしょう。わかりやすい定義としては「相手の航空機を撃墜し、航空優勢(制空権)を確保または維持するための飛行機」というところでしょうか。空対空ミサイルなどの兵装を携行し、領空侵犯に対する予防措置(スクランブル)や、地上作戦で障害となる相手の戦闘機などを撃墜して、作戦を優位に進める手助けをするのが主な任務となります。
この戦闘機と見分けがつきにくいものの代表ともいえるのが、練習機でしょう。特に戦闘機パイロットを養成するための練習機の場合、ほぼ戦闘機と同じ外見をしていることがあります。
アメリカ空軍やNASA(アメリカ航空宇宙局)で使われているT-38練習機は、アメリカ海軍・海兵隊やスイス空軍などで使われているF-5戦闘機と同時並行で開発されたため、双子のような見た目をしています。空気取り入れ口の形状などがわずかに違うのですが、区別は難しいでしょう。
日本の航空自衛隊でも、過去に国産のT-2練習機をベースにしてF-1戦闘機を開発しています。F-1はT-2練習機の後席部分に戦闘機用の火器管制装置を搭載したため、主翼端や垂直尾翼上端などに差違はあるものの、機体の外形はほぼ同じでした。
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