「軍隊の航空機=戦闘機じゃないの?」←違います! 戦わない軍用機ってナニ? 民間企業が飛ばす “まんま戦闘機”なんてのも

現代戦には必須といえる航空機ですが、軍隊が使うからといって、すべて戦闘用の航空機=戦闘機ではありません。では、軍用機と戦闘機は何が違うのでしょうか。実は見た目が戦闘機ソックリながら、戦えない軍用機や民間機もあります。

民間登録されたジェット戦闘機がある?

 戦闘機と練習機は、各国軍のアクロバットチームでも使用されています。戦闘機を使用した代表的なチームは、アメリカ海軍の「ブルーエンジェルス(F/A-18E/F)」やアメリカ空軍の「サンダーバーズ(F-16C/D)」、スイス空軍の「パトルイユ・スイス(F-5E)」といったところです。

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アメリカ空軍のT-38練習機(画像:アメリカ空軍)。

 練習機では航空自衛隊の「ブルーインパルス」のほか、イギリス空軍の「レッドアローズ(ホークT.1)」やフランス航空宇宙軍の「パトルイユ・ド・フランス(アルファジェット)」、イタリア空軍の「フレッチェ・トリコローリ(MB.339)」あたりが代表といえるでしょう。

 逆に、戦闘機など軍用機そのものだけど民間機、というレアケースも存在します。それは戦闘機の空戦訓練で相手方を務める民間軍事会社が運用する機体で、各国の空軍で引退した戦闘機などを購入し、固定武装(機銃)を外した上で民間機登録しているものです。代表的な会社にATAC(Airborne Tactical Advantage Company)や、ドラケン・インターナショナルなどがあります。

 こうして見てみると、戦闘機は軍用機の代表的なものと言えますが、それ以外にも様々なモデルが軍用機の中に存在することがわかるでしょう。

 民間機のように見える軍用機もあれば、逆に元は軍用機だけれど民間機になったものまで、深く知っていくと境界は意外とグラデーションのようにつながっていることにも気づくと思います。ややこしい点があるものの、軍用機=軍隊(自衛隊含む)が使う航空機全般、そのなかの戦闘機というのは、航空優勢を勝ち取るための空対空戦闘をメインする飛行機となります。

 逆にいうと、練習機のように一見すると戦闘機のような形状をしていても、空対空戦闘機に使えない軍用機も存在するのです。

【明らか戦闘機じゃん!】これが軍用機ぽいのに民間機なジェット機です(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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