「JAL・ANAなら無料だろ」→カウンターで絶望! 外資FSCじゃ普通の「ワナ航空券」回避方法は?

「手荷物預けが無料だからフルサービスキャリアを選ぶ」――これまで“常識”だったこのルールが、海外航空会社では崩れつつあります。しかも、これに関し悲痛な声も。そうしたなかでトラブルなく乗るには、どうしたらいいのでしょうか。

フルサービスなのに、預け荷物「有料」…?

 LCC(格安航空会社)は、さまざまなサービスを簡素化することで、同じ区間でもFSC(フルサービス航空会社)よりも安い運賃を実現しています。その簡素化されたサービスのなかでもっとも顕著なものが、手荷物の制限です。しかし近年、この“常識”が崩れつつあるのです。

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エールフランス航空機。同社も「ベーシックエコノミー」を導入している航空会社のひとつ(画像:エールフランス航空)。

 LCCは機内持ち込みの手荷物が7kg(一部会社は10kg)に制限され、また預け入れ手荷物も基本的に有料です。そのため「預ける荷物があるからFSCを選ぶ」という人も少なくないはずです。

 ところが最近、外資系航空会社の利用者の間で「FSCなのに、預け入れ手荷物が有料だった」という悲痛な声が上がっています。

 もし空港のカウンターで「荷物の預け入れは有料です」と言われても、旅行を取りやめる、もしくは荷物を置いていくというのは事実上ありえない選択肢です。そのためほぼすべての人が、旅行継続のため、伝えられた金額を仕方なく支払うことを選択していると思われます。

 では、なぜFSCなのに荷物の預け入れにお金がかかるのでしょうか。その背景にあるのが、外資系航空会社の一部で導入が進んでいる「ベーシックエコノミークラス」の存在です。

 飛行機のチケットには、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスなどの「座席クラス」があることはよく知られています。しかし運賃そのものは、この座席クラスよりもさらに細かい「予約クラス」で区別されています。

 たとえば同じエコノミークラスでも「事前座席指定は不可、払い戻しや予約の変更不可」というものから、「事前座席指定は一部座席について無料、払い戻し、予約の変更はできるが高額な手数料がかかる」「事前座席指定は足元の広い席も含め無料、払い戻しも予約の変更もわずかな手数料でできる」というものまで、その種類はさまざまで、エコノミークラスだけでも10を超える予約クラスを設定している航空会社もあります。

 そしてこれら予約クラスの差異は運賃にあらわれ、払い戻しや予約変更の条件が厳しいものほど安く、柔軟なものほど高く設定されています。

 ベーシックエコノミーとは、こうした予約クラスのなかで「手荷物の無料預け入れなし」という条件が設定されたものです。これは各国でシェアを拡大しているLCCに対抗するために生まれた予約クラスと言われています。

 その存在は、たとえばデルタ航空の「メインベーシック(ベーシックエコノミー)」、ブリティッシュ・エアウェイズの「エコノミーベーシック」など、航空会社公式サイトの予約画面で確認することができます。

【画像】確かにワナだ…これが「ベーシックエコノミー」サービスの全容です

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