巨大スクーター爆売れブームの先駆け! 渋谷でよく見た「ヤマハのビグスク」なぜ消えた?

1990年代中盤、日本のバイクシーンでは「ビッグスクーター」が大ブームとなりました。このブームの立役者が、1995年発売のヤマハ「マジェスティ250」です。

ブームを牽引しつつ、ブームに翻弄された?

 マジェスティの人気に対抗姿勢を見せたのが、「スペイシー250フリーウェイ」(1984年発売)や「フュージョン」(1986年発売)などで、ビッグスクーター市場を開拓してきたホンダです。確かにこれらのモデルもブームに乗って人気を博しましたが、最新型であるマジェスティには太刀打ちできない状況でした。

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1984年発売のホンダ・スペイシー250フリーウェイ。原付スクーターブームの最中に登場した大型クルージングモデル(画像:ホンダ)

 そのようななか、ホンダは1997年にフュージョンの後継車となる「フォーサイト」をリリース。ズバリ“先見の明”という意味の車名を持つフォーサイトでしたが、マジェスティの対抗馬としては弱かったのか、10年ほどで姿を消すことになりました。

 一方、マジェスティは1999年に2代目へとフルモデルチェンジし、人気は最高潮に達します。当時はマジェスティに2人乗りする、いわゆる2ケツでまたがってブンブン走り回る若者が大量発生しましたが、2代目は量産スクーターで初となる「フルフェイスヘルメットが2個収納できる」シート下スペースを確保。さらに2002年のマイナーチェンジではリモコンキーシャッター、5連メーターを搭載するなど、若者たちの嗜好にも次々と応えていきました。

 しかし、ヤマハも“ズルい大人”だったのか、2004年には若者たちの次のニーズを予期した新モデル「グランドマジェスティ」をリリース。グランドマジェスティは“大人のスポーツセダン“を謳い、ツーリングや高速走行時の快適性・安定性などに特化したモデルでした。

 ただ、2000年代中盤に差しかかるとビッグスクーターは飽和状態で、ブームは確実に終焉へと向かっていました。マジェスティも2007年、4灯ヘッドライトが特徴的な3代目へモデルチェンジし、シート下スペースの容量アップや、スマートキーシステムなどを備えるなど利便性を向上させる方向に進化したものの、全盛期ほどの支持は得られず、2017年に生産終了しています。

 一方、3代目マジェスティの生産終了と前後して、2013年には150ccクラスの小型な「マジェスティS」が登場しています。2010年代は原付二種のバイクが重宝され始めた時代で、「従来モデルではデカすぎる」というユーザーを狙ったモデルでしたが、大ヒットには至らず、こちらも2022年に生産終了。事実上の後継モデルである「X FORCE」にバトンを渡しました。

 このように一時代を築いたマジェスティですが、筆者はかつてを振り返った時、乗りやすく使い勝手の良いスクーターという「バイクとしての実力」が、正当に評価されないままだったように感じます。

 マジェスティはブームを牽引しつつ、ブームに翻弄された存在でもあったと言えるでしょう。

【純正なのに“ワル”な雰囲気!】これが一世を風靡した「マジェスティ」です(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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