基本設計は70年以上前 台湾で旧式戦車をアップグレードへ! 砲塔が最新になり見た目が大きく変化!?

台湾の兵器研究機関である中山科学研究院は、2025年9月18日、アメリカの防衛企業レオナルドDRSと、M60A3戦車の近代化改修に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。

旧式戦車のアップグレードが必要な理由とは?

 台湾の兵器研究機関である中山科学研究院(中科院)は、2025年9月18日、アメリカの防衛企業レオナルドDRS(Leonardo DRS)と、M60A3戦車の近代化改修に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。

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台湾のM60A3戦車(画像:台湾国防部)

 この覚書は、同日に台北で開催された「台湾国際航空宇宙・防衛産業展示会(TAIWAN AEROSPACE & DEFENSE TECHNOLOGY EXPO)」の会場にて、両者によって調印されました。

 今回の合意内容には、すでに中科院が実施している台湾陸軍のM60A3戦車の性能向上プログラムに加え、DRSが射撃、砲制御、観測照準システムのアップグレードに協力することが含まれています。中科院は、これらの改修モジュールの量産および統合的な製造を担当し、DRSは製品を自社ブランドとして国際市場に販売するという協力体制の構築を目指しています。

 台湾のM60A3にはすでに、デジタル式の射撃統制システム、全電動式の砲制御装置、そして高解像度の照準・観測装置などが開発・搭載されつつあります。これらに加えて、DRSの技術支援を受けることで、さらなる近代化が図られる見通しです。本件に関連し、改修後の砲塔デザインの完成イメージも併せて公開されました。従来の旧式主力戦車に見られる丸型のフォルムとは異なり、後方に大きなバスルが突き出た、直線的かつ角張った現代的な形状が採用されています。

 なお、主砲に関しては、引き続き105mmライフル砲を使用し、現代主力戦車でスタンダードとなっている120mm滑腔(かっこう)砲への換装は行わない方針です。中科院の説明によれば、砲の口径変更はコスト面や補給体制の見直しといった課題があるため、既存の砲を活かしつつ命中精度や射撃能力の向上を目指しています。

 一方、台湾陸軍では、アメリカから供与されるM1A2「エイブラムス」戦車の台湾仕様「M1A2T」の配備が2024年より順次始まっており、最終的には108両の導入が予定されています。

 しかし、M1A2Tの導入だけでは台湾全土の防衛には不十分であり、M60A3のほか、M48A5の台湾版であるCM-12、M48HベースのCM-11といった旧式戦車も多数運用されています。これらの戦車は合計で1000両以上にのぼり、依然として数の上では台湾陸軍の主力となっています。

 とはいえ、これらの車両の設計は、最も新しいM60シリーズであっても開発から約70年が経過しており、仮に中国人民解放軍との地上戦が発生した場合、性能面での不安が残ります。そのため現在、アップグレードを通じて戦車戦力の基本性能を底上げする取り組みが進められているところです。

【画像】射撃訓練を行う台湾のM60A3戦車

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