新幹線史上最高の“万能選手”さらば!「E3系」のスゴすぎる経歴 足湯つき 車内が美術館 誰とでも連結!?

JR東日本の新幹線E3系が、2025年内に定期運行を終了する見込みです。1995(平成7)年に登場して以来、様々な路線や列車として使われるとともに、いろいろな姿に改造されてきました。その「万能選手」のような経歴を振り返ります。

新幹線の高速化に対応したE3系

 山形新幹線「つばさ」で使用しているE3系が、2025年内に定期運行を終了する見込みとなりました。幅広く使われた新幹線の“万能選手”は、どのような車両だったのでしょうか。

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「つばさ」用E3系の登場時の塗装(柴田東吾撮影)

 E3系は新幹線と在来線を直通する車両として造られたもので、秋田新幹線の開業を見越して1995(平成7)年に登場しました。現在は山形新幹線用の車両だけですが、かつては秋田新幹線「こまち」や山形新幹線「つばさ」に加え、「こまち」用を転用した観光用の車両もありました。

 東北・山形・秋田新幹線のほか、上越新幹線までも定期で運用された実績があるのは、E3系しかありません。さらに今後は、荷物輸送専用車両が登場するほか、高速鉄道の建設が進むインドにも渡る見込みであるなど、史上最も多様な使われ方をした新幹線車両といえるかもしれません。

 E3系は、新在直通車両と呼ばれる新幹線と在来線の双方に対応した車両の一つです。山形新幹線の車両としては2世代目にあたります。

 新幹線の高速化を図るべく、E3系は新幹線区間の最高速度を275km/hに引き上げたことが最大の特徴です。当時の東北・上越新幹線の最高速度は、上越新幹線のごく一部で275km/hだったのを除くと、240km/hが主体でした。また、新在直通車両の特色として、線路の幅は新幹線に、車体の寸法は在来線側に合わせています。このため、E3系はほかの新幹線車両より一回り小さく造られています。

 E3系は、まず秋田新幹線「こまち」として1997(平成9)年に営業運転が始まりました。このほか、東北新幹線内では「なすの」や「やまびこ」にも使用されています。

 この頃は東北新幹線内ではE2系などと連結して走り、盛岡や仙台で連結・切り離しが行われていました。200系と連結した時代もありましたが、最高速度が240km/hだったため、せっかくの高速性能が生かされない時期もありました。

「こまち」用E3系は当初、グリーン車を含む5両編成でしたが、1998(平成10)年に中間車を追加して6両編成となり、以後の「こまち」用E3系は6両編成で投入されました。ちなみに、「こまち」用E3系はR編成とも呼ばれていました。

「こまち」用E3系の外観は、上半分が白、下半分がグレーで、間にピンクのラインがありました。1995年に登場した量産先行車は、翌年以降の量産車とは前面の前照灯の位置が異なっていました。

【これぜーんぶ同じ車両!?】改造されまくった歴代E3系たち(写真)

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