こ、これが「スクーター」だというのか!? 常識をバッサリ捨て去ったスズキの「類を見ない原チャリ」ストリートマジックのスゴさ
1997年にスズキが発売した原付「ストリートマジック」は、オートマチックのスクーターと同じ機構でありながら、またがって乗る本格的なオートバイ然とした見た目を持つ、原付スクーターの常識を覆す1台でした。
“ストマジ”の愛称で幅広い支持を獲得!
ライトユーザーの欲張りな声に応えたストリートマジックは、その発想の面白さからヘビーユーザーにも支持を受け、大ヒットを記録。“ストマジ”の愛称で親しまれ、一時はさまざまなバイク雑誌の巻頭特集がストマジだらけになるほどの人気を集めました。
さらに数か月後には、50Sをベースにオフロードバイク風の外装パーツを備えた「ストリートマジックII」が追加されました。四輪市場で流行していたRVカー的な発想で、アップフェンダーやブロックパターンのタイヤ、ブレーキディスクガード、パイプフレーム付きの大型ライトなどを装備したストマジIIは、どことなくモタード的な印象も受ける1台でした。
また、翌1998年には50ccモデルに加えて、110ccの「ストリートマジック110」シリーズも登場。2005年に排出ガス規制の強化に伴って生産を終了するまで、8年間にわたってバイクファンを楽しませました。
ちなみに、原付スクーターによる草レースが国内で盛んだった時代には、シートとハンドルとの間にパイプを取り付け、剛性を高める改造を施すことがありました。絶版となった今も人気のストマジシリーズですが、もしかしたらこうした事例も開発のヒントだったかもしれないと、筆者は推測しています。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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