現在のステルス機のはしり!? 万能機「モスキート」が生まれたワケ「家具職人でも作れる機体」を目指していた!?

第二次世界大戦中の1940年11月25日、ドイツ空軍機の猛攻から必死で本土を守っていた、いわゆる「バトル・オブ・ブリテン」の最中に、イギリス空軍の双発軍用機、デ・ハビランド「モスキート」が初飛行しました。

戦闘機よりも速い! そしてなぜかレーダーに映らない!?

 さらに、イギリスが誇るエンジン技術が、この機体の性能を予想以上に向上させることになります。

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爆撃を行う「モスキート」(画像:帝国博物館)

 モスキートに搭載されていたのは、1710馬力のマーリンエンジン2基という強力な動力でした。金属よりも軽量な木材を機体素材としたことで、最大速度は667.9km/hに達し、高い高速性能を獲得したのです。このスピードは、当時バトル・オブ・ブリテンに参加していたイギリス空軍の最新鋭単発戦闘機「スピットファイア」Mk.IおよびMk.IIを上回る驚異的なものでした。

 さらに、木材を構造材としたことが意外な効果をもたらしました。レーダ波が反射されず、レーダーに映りにくいという、現在のステルス機に近い特性を得たのです。同機は1943年頃までドイツ拠点への昼間爆撃などを実施しており、業を煮やしたヘルマン・ゲーリングが「モスキート狩り飛行隊」を編成しました。しかし、レーダー反射が弱く、かつ高速であったため、同機を捕捉するのは困難だったといわれています。

 また、この高速性能を活かせば爆撃機以外にも利用できるという考えから、1941年5月には戦闘機型の試作機が完成します。この機体は7.7mm機銃4丁と20mm機関砲4門を機首に集中装備した、大火力を誇るものでした。同時期には夜間戦闘機型も開発され、こちらは機首に機上レーダーを搭載していました。これら戦闘機型は主にイギリス本土防空に従事し、ドイツ軍機600機以上に加え、飛来した多数のV1飛行爆弾(ミサイル)を撃墜したとされています。

 偵察機としても同機は高い性能を発揮しました。戦闘機すら上回る高速で敵地上空に侵入し、偵察後は追撃してくる戦闘機を振り切って離脱するという戦法で、ドイツ軍や日本軍を悩ませました。ヨーロッパでは、大戦末期にドイツ空軍がメッサーシュミット Me262 ジェット戦闘機を投入すると高速優位性は失われましたが、日本軍を相手にしたビルマ戦線では、その優位性を最後まで維持しました。ただし、現地の雨と高い湿度によって木材が腐食し、飛行不能となる機体も一定数あったようです。

 同機は各タイプ合わせて7700機以上が生産され、イギリス軍のほか、アメリカ陸軍航空軍(のちのアメリカ空軍)や、戦後はベルギー、ノルウェー、イスラエルなどでも使用されました。

【木のぬくもりは…】これが、ちゃんと金属だらけなモスキートの操縦席です(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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