「スッカスカなバイクが流行ってるってねぇ…ヨシ公式で出したれ!」 まるで地を這う走りのホンダ「ズーマー」

1990年代以降のバイクシーンで流行したネイキッドモデル。そこから、さらにパーツを外してスカスカにする「スカチューン」が人気を博しました。そこに目を付けたホンダが打ち出したのが「ズーマー」。忘れられない走行性を備えていました。

カスタム車のようなズーマーをさらにカスタムするユーザーたち

 前述の通り、ズーマーは1990年代のカスタムブームの影響を受けて誕生したネイキッドスクーターでしたが、このシンプルなズーマーの構造がまた、カスタム愛好者たちの格好のベースモデルにもなりました。

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2013年発売のZOOMER-X。110ccモデルで、従来のZOOMERのコンセプトや面影は乏しくとも個性的な1台だったことは確かだ(画像:ホンダ)。

 ズーマーのカスタムでも、とくに多かったのがロー&ロング。つまり、車高を低くさせ、ホイールベースをロングにさせたもので、一時日本国内でもズーマーのカスタム専門誌が出版されたこともありました。また、ホンダ・PCX125/150エンジンをスワップし、パワーアップを図るカスタムも登場。ズーマーもまた、ユーザーのカスタムによって魅力が広められた側面がありました。

 2016年に施行された平成28年排出ガス規制をクリアできず、ズーマーは翌2017(平成29)年に生産終了に至りますが、2000年代以降のホンダのミニバイクではロングセラーの筆頭モデルとなりました。

 また、時は前後しますが、ズーマーを110ccにブラッシュアップさせたズーマー-Xというモデルが2013(平成25)年に登場。従来のZOOMERのコンセプトや面影は乏しいものの、次世代バイクとして注目を浴びました。ただし、相応のヒットには至らず2016年に姿を消した惜しい1台でもありました。

 ここまでの通り、ズーマーが残した功績は大きかったわけですが、その変遷と実績から、2023年には電動バイクとしてCub e:、Dax e:と並んでZOOMER e:が中国市場で発売されました。カブ、ダックスと言えば、言わずもがなのホンダのミニバイクの代表モデルですが、そこにズーマーが並んでいることが実に興味深いです。

 ちなみにZOOMER e:は、かつての面影はデュアルヘッドライトと太めの足回り程度ですが、Cub e:、Dax e:と比べれば、どことなくアクティブで無骨な印象。電動バイクのカテゴリーでも、さらなるバイクの楽しさを牽引してくれることを期待するばかりです。

【え、可愛くなってる…】これが中国の「電動ズーマー」です!(画像)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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