「北海道の下道って“高速並み”だから高速道路いらないですよね」←やめとけ “お金払ってでも高速を使うべき”これだけの理由

北海道の一般道は流れが速く、高速道路と所要時間も大差ないため、通行料金がかかる高速道路の利用をためらいがちです。しかし、不慣れなドライバーにとっては、お金を払ってでも高速道路を使うべき明確な理由があります。

高速道路のほうが“絶対に安心”のワケ

 一方、高速道路は北海道であっても、降った雪はできるだけすみやかに除雪され、降雪直後でなければ、クルマのわだち部分はアスファルトが見えるレベルまで雪が削られます。また路面コンディションの変化も一般道に比べ少なく、安心して走ることができます。

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氷盤路となった国道239号。信号や対向右折車、店舗など路外施設に出入りするクルマでブレーキを踏むことは多い(植村祐介撮影)

 より気を付けなければならないのは、峠の区間です。一般道でもその多くは緩やかなカーブで結ばれた走りやすい道ですが、厳冬期にはちょっとした標高の上昇で雪が一気に深くなることもありますし、吹雪のときには視界が悪くなり、カーブの曲がり具合すらわかりにくくなります。

 一方、高速道路は標高が上がるような地形ではトンネルで抜けていきますし、本線ではカーブの曲率も一定に抑えられるだけでなく、視界が悪くなるところは標識や灯火類でのアシストが行われるため、走りやすさは一般道よりも数段上です。

 そして一般道と高速道路とで異なるのが、走行中の「ストップ&ゴー」の有無です。

 一般道はどれだけ空いているといっても、市街地を抜けるところでは信号が設置されています。そうした信号の手前はブレーキをかけるクルマのタイヤで磨かれてグリップ力が極端に下がるコンディションになっていることが往々にしてあります。

 50〜60km/hの流れから赤信号に差しかかり、ブレーキを踏むと、真っ直ぐ走っているとき以上にスリップしやすくなります。また視界の悪いときは赤信号や停止車両に気付くのが遅れがちになりますし、自分自身は問題なく止まれても、後続車から追突されることもあり得ます。

 信号のない高速道路では、一般道に比べこうした事故につながるリスクははるかに低くなるのです。

料金は「安全への保険料」

 いったん事故に遭うと、たとえレンタカーそのものの損害は保険でカバーできたとしても、失う時間は計り知れないものがあります。真冬の寒さのなか、現場検証などで屋外に長時間放りだされるのもリスクです。そうしたさまざまな不利益を考えれば、高速道路の通行料金は「安全に対しての保険料」として十分に納得できるものでしょう。

 なお北海道には、新直轄方式などで作られ、無料で通行できる高速道路が各所にあります。こうした“無料高速”の利用をためらう理由はありませんが、どこが無料でどこが有料かを調べるのはいささか面倒です。

 冬季の北海道での都市間移動については、基本的に「高速道路利用」を前提に、“そこが無料区間だったらラッキー”と思うくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

【見よ!】これが圧巻の「北海道の高速道路除雪」だ!(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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