箱根・芦ノ湖で「異色の観光船」が運航開始! 「お茶」を五感で楽しめる船内がスゴかった まさに「湖に浮かぶ茶室」!?

箱根の芦ノ湖で、「お茶」をテーマとする珍しい観光船「大茶会」が運航を開始しました。

新観光船「大茶会」が運行開始

 箱根の芦ノ湖で、「お茶」をテーマとする新観光船「大茶会(だいちゃかい)」が2025年12月20日(土)から運行を開始しました。同船は1986年に就航した既存の遊覧船を大幅に改装して生まれ変わった船で、建築家の川西康之さんがデザインを担当。船内には多様な居場所が設けられ、思わず散策したくなるような空間となっています。

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富士急グループの箱根遊船が運航する新観光船「大茶会」(乗りものニュース編集部撮影)

「大茶会」は、富士急グループの箱根遊船が運行しています。箱根遊船の遊覧船は、2022年まで西武グループの伊豆箱根鉄道が運営していました。元々は、西武グループの源流の一つである「箱根土地」が、芦ノ湖の渡船組合を統合して観光船事業を独占し、日本初となる双胴船も導入しています。

 これに対し、戦後に設立された小田急グループの「箱根観光船」が、芦ノ湖で海賊船を模した遊覧船の運行を開始し、西武と小田急の対立が激化。「箱根山戦争」と呼ばれた熾烈な交通シェア争いが繰り広げられました。

 その後は両者が協力して箱根エリアを盛り立ててきましたが、伊豆箱根鉄道は近年、箱根地区の事業を縮小し、富士急グループへ交通事業の一部を譲渡した経緯があります。

 今回就航した「大茶会」は、1986年に就航した既存船「十国丸」を、2億7000万円かけて大幅に改装した船となります。主に塗装や内装、座席などが刷新されました。なお、改装は芦ノ湖の北にある湖尻港の桟橋で実施されています。

 デザインを担当した川西康之さんはこれまで、JR西日本グループの高速船「SEA SPICA」や273系電車の特急「やくも」、2024年2月に箱根・芦ノ湖で就航した「箱根遊船 SORAKAZE」などを手がけてきました。約40年も活躍してきたベテラン船が「川西デザイン」で生まれ変わったのです。

 船は3階建てで全長28.8m、全幅11.6m、総トン数341トン。箱根関所跡港~元箱根港~箱根園港~湖尻港(約11.3km)で運行されています。

 富士急行は「大茶会」の就航に先立ち、2025年12月18日(木)に同船のプレス内覧会を実施。デザインを手がけた川西さんも参加し、改装のポイントを船内で説明しました。

【画像】船内スゴッ!これが新観光船「大茶会」の内部です

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