高速道路に鉄道“なすすべ無し” 地図から消える「日本一短い本線」 街は“次”を見据えていた

2026年に全線廃止となる留萌本線。その背景には道路網の発達がありました。一部廃線から1年半が経過した終点・留萌駅はどうなっているのでしょうか。

暗に「廃止やむなし」

 この深川留萌道の開通後における留萌本線の将来像は、北海道が道内の運輸交通に関する施策の総合的な促進を図るため設置した「北海道運輸交通審議会」の「地域公共交通検討会議 鉄道ネットワーキングチーム」の検討によっても明らかでした。

 同審議会が2017年2月に発表した「将来を見すえた北海道の鉄道網のあり方について」では、留萌本線は「並行する高規格幹線道路の全線開通を踏まえ、利便性の高い最適な公共交通ネットワークの確保に向け、今後の活力ある地域づくりの観点に十分配慮しながら、他の交通機関との代替も含め、地域における検討・協議を進めていく」と、暗に“廃止やむなし”の考え方が示されていたのです。

 留萌本線の存続問題について、留萌市など沿線自治体は当初存続を要望していましたが、最終的にJR北海道の廃止提案を受け入れます。

 2016年に末端の留萌-増毛間が廃止されたのち、2023年4月に石狩沼田-留萌間が廃止。深川-石狩沼田間14.4kmが残り、「本線」を名乗る路線としては日本一短くなっていましたが、その区間も2026年3月末で廃止され、留萌本線は地図上から姿を消すことになります。

まだ残る留萌駅、これから生まれ変わる

 石狩沼田-留萌間の廃線から約1年半がたった2025年12月、実際に旧留萌駅を訪ねてみると、いかにも“本線の終点”らしい2階建ての旧駅舎は、看板類は取り外されているものの、そのままで残されていました。

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留萌市街地からは「留萌IC」で深川留萌道にアクセスできる。深川北ICまでは無料区間(植村祐介撮影)

 また往時の繁栄を偲ばせる駅前の広いロータリーには、周辺の商店や飲食店に立ち寄っているであろうクルマが十数台駐車していましたが、雪のなか、行き交う人影はまばらでした。

 留萌市では、無償譲渡される予定のJR北海道敷地を含め、旧留萌駅および周辺を再開発し、築60年以上で老朽化に加え耐震性に課題のある市庁舎を、同じ課題を抱える市の複数の社会教育施設とともに「交流複合施設」として移転整備する方針です。

 2025年度までは基本構想、基本計画を策定、さらに2026年度までに基本設計を定め、以降に実施設計、建築工事に取りかかる予定となっています。

 この複合施設には道の駅、さらには市内巡回バス、都市間バスターミナル機能の停留所も設けられる予定で、新たなまちづくりの拠点としての発展が期待されます。

【げげ…!】将来的にここまで減るのか「北海道の路線網」&留萌駅の今(地図/写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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