雲の上から「敵の潜水艦を発見」できる!? ドイツが導入する「日本と同じ無人機」の使いみち 対潜戦が一変か?
ドイツ連邦軍が無人機のMQ-9B「シーガーディアン」導入を決定しました。日本ではすでに海上保安庁が運用しているほか、海上自衛隊でも導入が決定されているシーガーディアン、じつは水中の脅威にも対処できるようになりそうです。
有人機と無人機の「セット運用」なるか 日本も他人事ではない?
ドイツ連邦海軍がHAAWCを購入するのかは不明ですが、10名から11名の乗員が必要なP-3Cに比べて少ない要員での運用が可能で、乗員の疲労を気にすることなく長時間「ハンター」の役割を果たせるシーガーディアンと、HAAWCキットを装着したマーク54魚雷を搭載して「キラー」の役割を果たすP-8を組み合わせて運用すれば、ドイツ連邦海軍はP-3Cに引けを取らない対潜戦能力を獲得できるのではないかと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
前述のように、海上自衛隊はシーガーディアンを対潜戦任務に充てる方針を示していませんが、密接な関係にあるアメリカ海軍は活用を検討しており、GA-ASIは2024年2月に、アメリカ海軍航空システム司令部と合同でソノブイの投下試験を成功させています。こうしたなか、海外の複数のメディアが海上自衛隊もアメリカ海軍と歩調を合わせる形で、シーガーディアンを対潜戦にも活用するのではないかと報じています。
GA-ASIは2025年5月に千葉県の幕張メッセで開催された防衛総合イベント「DSEI Japan 2025」で、ソノブイのランチャーポッドの搭載案を示したパンフレットを配布していましたが、これも海上自衛隊にその考えがあることの証左と言えるでしょう。
ところで日本は、フランスなどヨーロッパ4か国が共同開発を行っているUAS「MALE RPAS」(愛称は「ユーロドローン」)の開発に、議決権のないオブザーバーとして参加しています。実のところ、筆者はヨーロッパ諸国が何を目的に日本をこの枠組みへと迎え入れたのかがはっきりわからなかったのですが、2025年5月に来日したエアバスの防衛部門で、MALE RPASの開発でも大きな役割を果たしているエアバス・ディフェンス・アンド・スペースのマイケル・ショホローンCEO(最高経営責任者)は、日本が豊富に持つ、対潜戦に不可欠な航空機の長時間洋上飛行のノウハウについて、忌憚なく意見を聞きたいと述べていました。
1機で「ハンター」と「キラー」の役割を果たせるP-1やP-3Cのような哨戒機の価値が著しく低下したと筆者は思っていませんが、有人哨戒機に比べれば少ない人員とコストで運用可能で、万が一撃墜されても搭乗員が戦死したり捕虜になったりするおそれのないUASに、対潜戦における「ハンター」の役割を担わせるのは、これから世界的なトレンドになっていくかもしれません。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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