東京に現れた「謎の青白フェリー」じつは自衛隊向け! 元「日本最速」の巨船 防衛省はどう使う?

2026年2月、東京港に1隻の巨大なフェリーが姿を現しました。新日本海フェリーの「はまなす」改め、防衛省のPFI船舶「はくおうII」です。なぜ今、民間船が自衛隊の輸送を担うのか。その驚きの運用計画に迫ります。

国内最大級の大きさと速度を誇るフェリーが原型

「はくおうII」と「ナッチャンNEO」は、従来の2隻に比べて燃料費が半分程度となる見込みで、コスト競争力の向上が図られます。防衛省でも、緊急要請後の出発港を母港に限定せず、各船舶が民間収益事業を行っている近隣港でも可能にするといった運用ルールの見直しを図っていることから、今後は一般の人が乗る機会が増えるかもしれません。

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東京湾を航行中の「はくおうII」の船尾(深水千翔撮影)。

 2隻の借り上げ契約は2025年3月に結ばれており、契約額は2026年1月から2035年末までの10年間で約305億円。運航・管理に関しては、2025年5月に防衛省が、双日を代表企業として、日本通運やリベラグループなどで構成する特別目的会社(SPC)高速マリン・トランスポート2と契約を結んだことを明らかにしています。

 今回、東京港に入港した「はくおうII」は、新日本海フェリーの「はまなす」として三菱重工業長崎造船所で建造され、2004年7月に姉妹船の「あかしあ」と共に舞鶴―小樽航路でデビューしました。全長は224.82m、全幅は26m。世界で初めてハイブリッド型CRP(2重反転プロペラ)ポッド推進システムを採用し、長距離フェリーでは国内最大級の大きさと速度を誇っていました。

「はまなす」は2025年10月17日の小樽出港を最後に舞鶴―小樽航路での運航を終了。JMU(ジャパンマリンユナイテッド)因島事業所に入渠し、「はくおうII」へと改造されることになりました。なお、翌11月には運航効率を高めた新造船の「けやき」(1万4300総トン)が舞鶴―小樽航路へ就航しています。

 防衛省・自衛隊が、自前の大型輸送艦の数を今よりも増やすことは、予算や人員の大規模な拡充がない限り、厳しい状況です。そういったなか、離島防衛や大規模災害などで海上輸送能力を強化しようと考えた場合、PFIによる民間船舶の増勢は、ひとつの手段として有効なのは間違いないでしょう。

【写真】防衛省向け高速フェリー「はくおうII」と「はくおう」見比べ!

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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