なぜ潜水艦は真っ黒? 海=青じゃない! 深海で姿を消す科学的な理由と「極秘素材」の謎
「海は青いのに、なぜ潜水艦は真っ黒なの?」という疑問を抱いたことはありませんか。実は、潜水艦の黒さには深海の物理学や、耐久性を高める意外な成分が深く関わっています。どんな秘密があるのでしょうか。
黒い皮膚は機密の塊 その理由とは?
潜水艦の黒さには、もうひとつ技術的な背景があります。
近年の潜水艦では、船体表面に音を吸収する「無反響タイル(吸音タイル)」を用いる例が知られています。
海中では目視よりも、音波で物体を探す「ソーナー」が大きな脅威となります。無反響タイルは、ソーナー反射を弱めたり、艦内の音が外へ伝わりにくくしたりする目的で用いられます。こうした工夫により、相手のソーナーに探知されにくくする”ステルス性能”を高めているのです。
このタイルなどのゴム製品には、強度や耐久性を高めるために「カーボンブラック(炭素の微粒子)」が使われることが多いです。たとえば、タイヤ用ゴムでは、補強材としてカーボンブラックが広く使われることが知られています。
一般的に、カーボンブラックを混ぜることでゴムの強度は高まり、過酷な環境に耐える性質が得られます。潜水艦の無反響タイルに関する性能は各国とも秘密にしているため、その材質も不明ではあるものの、おそらく強度や耐久性などを考慮してカーボンブラックなどを配合しているのではないでしょうか。そのうえで、前述したような理由から黒く塗装していると思われます。
潜水艦とは、最先端技術と人の工夫が”見つからない”というひとつの目的のために極限まで統合された、究極のシステムといえるでしょう。
ちなみに、海上自衛隊の潜水艦も当初から黒一色だったわけではありません。2017年2月に退役した「あさしお」(はるしお型7番艦)までは、下半分が赤く塗られていました。この2色塗装の姿は、広島県呉市にある「海上自衛隊呉史料館(愛称:てつのくじら館)」で展示されている「あきしお」(ゆうしお型7番艦)の巨大な実物展示などで見ることができます。





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