「ウクライナの無人機」ついに自衛隊も導入検討へ? なぜ今? “ドローン実践大国”に世界から注がれる視線とは?
自衛隊がウクライナ製無人機の導入を検討していることが報じられました。ロシアとの戦いで日々進化を続けるウクライナ製に白羽の矢が立った背景には、日本の防衛政策や複雑な国際情勢がありました。
ウクライナ戦以降、変わってきた「アピールポイント」
共同通信はウクライナ製UASに白羽の矢が立った理由として、航続距離の長さと電波妨害(ジャミング)への耐性の強さを挙げています。
筆者は2023年と2024年に防衛装備展示会の取材がほぼできなかったものの、2025年に再開すると、各メーカーがUASをはじめとする無人装備品の電波妨害への耐性の強さをアピールするようになっていたことに驚かされました。
これは2022年に始まったロシアのウクライナへの侵攻で、両軍による相手の無人装備品の行動を阻害するための電波妨害が多用されたこともあり、電波妨害への耐性の強さがセールスポイントになってきたのではないかと思います。
また共同通信は防衛相関係者の話として、「日本にはノウハウが少ないが、ウクライナは実戦投入の結果に基づき短期間で改良を繰り返しており、性能が高い」と紹介しています。さらに、日本政府が単にウクライナからUASを導入するだけでなく、将来的な国産化への知見を得ることや、秘密保護などに関する「防衛装備品・技術移転協定」の締結も検討していると報じています。
ウクライナが高い無人防衛装備品の開発技術と、実戦で得た運用ノウハウを持っていることが周知されて以降、多くの国がウクライナの無人装備品に熱い視線を注いでいます。それらの多くもまた、単に無人装備品を導入して一丁上がりではなく、ウクライナが持つ実戦でしか得られない貴重な運用ノウハウも得たいと考えています。
“日本のお隣”とウクライナが接近
こうした流れでウクライナとの“付き合い方”に変化が生じている例のひとつが、台湾です。
ウクライナと台湾は、ウクライナが後に中国海軍の空母「遼寧」となる旧ソ連の未成空母「ワリャーグ」を中国に売却したことなどから、必ずしも良好な関係ではありませんでした。しかし2025年9月に台北で開催された防衛・セキュリティの総合イベント「TADTE」(Taipei Aerospace & Defense Technology Exhibition)では、ウクライナが初めて、ポーランドと共同でブースを出展していました。
これは防衛分野での協力、とりわけ台湾が重視している無人防衛装備品の分野でウクライナと協力したいという台湾の思惑があって実現したようです。
その台湾とウクライナは「民主主義の防波堤」とも評されています。これは中国とロシアの、軍事力を背景とする現状の変更を許せば、他の民主主義国家の存立も危うくなることを意味しています。
今後も日本が民主主義国家であり続けたいのであれば、UASの導入によって防波堤の一つであるウクライナを支え、かつウクライナから得た技術や知見によって防衛力を強化して中国をけん制し、中国の台湾武力併合を容認しない姿勢を示すことが、必要なのではないかと筆者は思います。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





ドローン防御システムもまだ出来てないのでこれだけ安価で効果のあるドローンの優位性を見せられたら当たり前の話ですね。