“日本一短い鉄道”の新車両は異端児「ターボくん」! 50年選手に代わり登場する電車の変わった経歴とは

「日本一短い鉄道」を謳う芝山鉄道で、車両が世代交代します。後継の3600形電車は異例の経歴を持ち、「ターボくん」の愛称で知られる車両です。

「ターボくん」と呼ばれる芝山鉄道の3600形

 芝山鉄道に新たに貸し出される車両は、3600形3668編成です。3600形が芝山鉄道に貸し出されるのはこれで2度目ですが、今回の3668編成は、3600形の中でも変わった経歴を持ち、鉄道ファンからは「ターボくん」の愛称も付いています。

 京成3600形は1982(昭和57)年から導入された車両で、外観や走行機器のモデルチェンジが行われています。前面は前照灯や尾灯が丸く、車体の側面は一段下降窓を採用してスッキリとした姿になっているのが特徴です。3500形も、車体更新の際に3600形の「顔」に寄せた姿となりました。また、運転台は3500形で採用していた2ハンドル式をやめ、T形のワンハンドルマスコンを採用して、こちらもスッキリとした機器配置になっています。

 3600形は1989(平成元)年までに6両編成9本が製造され、1997(平成9)年から2年がかりで8両編成6本に組み換えられました。他の編成を分解して6両編成に中間車2両を追加する方法です。このため中間車を提供した側は先頭車ばかりが残り、残った先頭車を組み合わせて6両編成1本が組成されました。これが今の3688編成です。

 しかし従来の3600形は先頭車にモーターがないため、先頭車を集めた編成だと自走できません。そこで6両のうち4両が、VVVFインバータ制御による電動車に改造されました。

 3668編成は、総合車両製作所(元東急車輛)の横浜事業所で製造された京成の新車を輸送するため、線路がつながっている京急線の金沢八景から京成線まで新車を牽引(けんいん)した実績があります。2017(平成29)年には中間車2両を廃車として4両編成となり、さらにワンマン運転への改造も行われています。

 3668編成は先頭車が1988(昭和63)年製、中間に組み込まれた元先頭車が1986(昭和61)年製で、3500形3540編成から13~15年ほどの若返りとなります。外観は、芝山鉄道への貸し出しにあたり「芝鉄カラー」の緑と赤の帯に変更されますが、色の配置は最初に貸し出された3600形3618編成と逆になります。

 3668編成は、京成金町線や東成田線・芝山鉄道線に加え、2022年に4両編成の運用が復活した千葉線・千原線でも使われてきましたが、芝山鉄道の所属となった後も引き続きこれらの線区で使用される見込みです。

【世代交代】芝山鉄道に“移籍”する「ターボくん」を見る(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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