ペダル離すと“みるみる減速!” クセが強い電動車の「勝手にブレーキ」に賛否 自転車みたいに“手でブレーキ”も存在…足はもう要らない?
電気自動車やハイブリッド車は、メーカーや車種ごとにアクセルペダルを離した時の減速感がかなり異なります。なかにはアクセルのみで加減速できるモデルもありますが、“足で踏む”タイプのブレーキを完全に代替することはあるのでしょうか。
“エンジン車っぽさ” vs “EVらしさ” メーカーで分かれる思想
電動車の運転感覚に関する設計思想は、「ガソリン車の操作感に準ずるものを作る」メーカーと、「電動車らしい乗り味に仕上げる」メーカーの双方で大きく分かれています。
前者を採用しているのは、これまで内燃機関モデルに長らく乗ってきた既存ユーザーにも、すんなり受け入れられる操作感を重視している老舗メーカーのクルマが多い印象です。直近ではダイハツ「e-ハイゼットカーゴ」がこうしたモデルの一例で、「これまで通りの運転をしても積荷が崩れないようにする」ことを目指し、ガソリン仕様と同様の操作感にこだわったといいます。
またこれらのメーカーの電動車は、ワンペダル機能を採用していても、スイッチのオン・オフでガソリン車と同じ減速感のモードも選べるようになっていることがほとんどです。
他方、電動車らしい乗り味に仕上げているのは、EVを中心に“電動車であること”を重要なアイデンティティとしているメーカーです。テスラなどのアクセルは(アップデートによる変化もあるものの)離した時の回生ブレーキの効きが強い傾向にあり、また踏み込んだ時の加速感も、モーターのレスポンスを強調するような鋭さを持っています。
こうしたメーカーごとの考えの違いは、回生ブレーキの加減をコントロールする操作系の設計にも表れています。ガソリン車のようにB(ブレーキ)レンジやSレンジ、走行モードの切り替えで減速の強弱を選べるのみのクルマがまだまだ主流ですが、近年はブレーキの操作感をより細かく調整できるモデルも登場しつつあります。
特に印象的だったのが、米国のキャデラックが発売したEV「リリック」の手動ブレーキです。このモデルはハンドル裏に、まるで自転車のように手でブレーキを掛けられるパドルが備わっています。手だけでも完全停止まで緻密にコントロールできるため、試乗時には「街中でのブレーキはこれで充分かもしれない」とすら感じました。
しかし、回生ブレーキは緊急時の急ブレーキなどで充分な制動力を発揮することはできず、従来通りのペダルを踏んで操作する油圧ブレーキには敵いません。ワンペダル操作を含め、たとえ回生ブレーキでの減速・停止に慣れたドライバーであっても、緊急時にはブレーキペダルを強く踏めるよう、常に意識しておくことが必要不可欠です。
Writer: 西川昇吾(モータージャーナリスト)
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。





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