370km・5時間! 今なお健在「長距離昼行特急」の旅 “特別急行”の面影残す伝統の列車に全区間乗車してみた
今やJRの列車種別は「普通」と通過駅のある「快速」、追加料金が必要な「特急」でほぼ全てとなっています。しかし、特急とは「特別急行」の略で、元々は文字どおり「特別な急行」でした。特急の歴史をたどりながら、かつての特急らしさを残す「ひたち」を紹介します。
特急「ひたち」5時間の旅
「ひたち30号」に乗ります。18時2分発ですが、17時45分の時点で入線しており、かつての長距離特急のような「始発駅のゆとり」を感じます。
食堂車などはないので、仙台駅で「たんや善次郎 特上厚切り牛たん弁当」を買います。いわきから車内販売が乗車する点も「特急らしさ」なのですが、残念ながらお弁当の販売はないため、乗車前の食料調達は必須です。この牛たん弁当は加熱式弁当で味も素晴らしく、食堂車気分を味わえました。
普通車には扉前に待機列ができており、仙台出発時の乗車率は30%ほどでした。グリーン車は私を入れて7人(乗車率23%)乗っています。5時間近く乗るためグリーン車にしました。出発直前に乗車変更をして、1人掛けの8A席に座ります。他の部分は2+2列配置ですが、8番の列は車いす対応座席なので、1+1列配置になっています。
座席は、座面がやや硬いものの、2+2列グリーン席としては上位。秋田新幹線E6系や山形新幹線E8系などのレッグレスト付き2+2列グリーン席よりも快適です。
E657系のグリーン席はフットレストがあるため、足を十分に伸ばせます。枕の上下可動がないので、その点だけは残念でした。
以下、グリーン車の乗降状況です。19時5分の原ノ町で2人乗車。向かいの乗客は備え付け毛布を使ってリラックス。これはグリーン車ならではの強みです。
広野といわきでそれぞれ1人乗車。いわきから車内販売が乗務するので、貝柱のおつまみとスターバックスラテを注文します。
20時15分のいわきまでグリーン車からの下車客はなし。長距離特急らしい、入れ替わりのない車内です。やることもないので、座席の各部を計測します。座面幅54.5cm、肘掛幅5cm(中間肘掛は7cm)、テーブルが43.8×27.8cmです。7番席のみインアームテーブルを備えていました。
いわきを出ると速度が上がります。2時間以上座ると、座面の硬さが気になります。さきほどの乗客が腰の後ろに毛布を移します。真似するとクッション性が改善され、枕の高さと首の位置も合わせやすくなりました。
20時22分の湯本で、初めて仙台からの乗客が下車しました。21時20分の勝田で、仙台からの乗客2人が下車し、1人乗車します。21時26分の水戸で4人乗車しますが、下車はゼロ。21時55分の土浦で1人乗車、原ノ町からの2人が下車します。22時37分の上野で土浦からの1人が下車し、22時44分の東京で2人下車します。
結局、22時52分の終点・品川で降りたのは、筆者を入れて5人。仙台から全区間を乗り通した乗客は4人いて、意外と愛好者がいるのだと感じました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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