致死率1.7倍の衝撃! 自転車ヘルメット「努力義務」はなぜ始まった? 正直めんどくさい…の声も 脳を守る“滑るカタチ”とMIPSの科学

2023年4月から全世代で努力義務となった自転車のヘルメット着用。SNSでは「髪型が崩れる」「荷物になる」といった否定的な声も根強いですが、なぜ今さら義務化が進んだのでしょうか。

「硬さ」よりも「滑り」が命? 衝撃を物理的にいなすヘルメットの秘密

 自転車用ヘルメットを手に取ると、多くのモデルが流線型で、表面がつるりとしたプラスチックで覆われていることに気づきます。これは単なるデザインではありません。

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自転車ヘルメットは「硬さ」よりも「滑り」が命?(画像:写真AC)

 転倒時、地面に対して頭が斜めに叩きつけられた際、ヘルメットが地面との接触面で引っかかりにくく「滑りやすい」形状になっていることで、首や脳に加わる回転方向の負荷を軽減しやすくしていると考えられています。

 もしヘルメットが滑らずに地面に強く引っかかってしまうと、頭部に大きな回転エネルギーが加わり、脳震盪や脳挫傷のリスクが高まるおそれがあります。

 現代のヘルメットは、内側の発泡スチロールが潰れて衝撃を吸収する「クッション」の役割と、外側のシェルが滑りやすく設計されることで衝撃を「いなし」、頭部に伝わる負荷を減らそうとする役割の二段構えで、安全性を高めています。

 さらに最近では、ヘルメット内部に「MIPS(ミップス)」など、斜め方向の衝突で生じる回転運動を低減させることを狙った仕組みを備えたモデルも登場しています。

 こうした技術の一部は、特定の条件下では従来型ヘルメットに比べて回転加速度や脳へのひずみを減らせることが実験で示されており、「努力義務」という言葉以上の安心材料になりつつあります。

「お金がもったいない」「メンドくさい」「近所に行くだけだから」などの理由という油断が命取りになる自転車事故。ヘルメットを被るというわずかな手間が、明日を分ける境界線になるのかもしれません。

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