トンネル天井の「お化け扇風機」何のため? 風速は台風並み! ただの換気じゃない「命を守る」ハイテク装置だった
長いトンネルを走っていると見かける、天井に吊るされた筒状の巨大な扇風機。あれはいったい何のために回っているのでしょうか。ただの換気だと思われがちですが、実は火災時に私たちの命を守る重要な役割がありました。いったい、どういうことなのでしょうか。
煙の流れをコントロール! 避難路を確保する気流の科学
トンネル内で火災が発生した際、ジェットファンは煙を一方向に流すなどしてその動きをコントロールし、避難や消防活動に支障が出にくい環境を確保する役割を担います。
ジェットファンの中には、正転・逆転の両方向に運転できる機種もあり、状況に応じて気流の向きを変えることができます。
ただし、避難が続いている段階での安易なファンの反転は、逆に煙を拡散させるおそれがあるため、その運用は避難状況を踏まえた慎重な判断が前提となります。こうした特性を踏まえ、通常時の換気に加え、火災時には煙の流れを適切に制御して避難路の確保を助けるのです。
トンネルは長い筒状の空間になっているため、換気や火災時の煙を制御するには、大型の送風機で強い気流を作り出す必要があります。そのため、ファンから吹き出される風の速さは、秒速約35mという「台風並み」の猛烈なレベルに達します。
なお、ジェットファンはすべてのトンネルに設置されているわけではありません。トンネルの長さや交通条件などにより、自然の風や車両の走行によって生まれる風だけで十分な換気が確保できる場合には、設置されないケースもあります。
何気なく見上げていたあの巨大な扇風機は、私たちがトンネルを安全に通り抜けるため、そして緊急時に逃げ道を確保するための、極めて頼もしい防災装置だったのです。





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