遭遇できたら超ラッキー! JRの超豪華「特別車両」その運行回数は? 至高の内装を誇る現代の“鳳輦”

我が国で皇族が鉄道に乗車されたのは、1872年に最初の鉄道が開業した時のことです。その時から天皇陛下が乗られる特別列車は「お召列車」と呼ばれるようになりました。現代のお召列車を担うE655系を紹介します。

新時代の皇室用車両E655系「なごみ(和)」

 こうしたことから、JR東日本は2004(平成16)年、皇室・国賓用として新たな車両の製造を発表しました。それがE655系「なごみ(和)」です。名前には「ご乗車になる全てのお客様になごんでいただきたい」という思いが込められています。それまでの「お召列車」とは異なり、皇族や国賓が利用する「特別車両」を外して、「ハイグレード車両」による団体専用列車として運行することも想定していました。

 車両の性質上、JR在来線のどの電化区間も運行できるように直流1500ボルトと交流20000ボルト(50/60Hz)に対応するほか、地下区間も走行できます(実際に京葉線東京駅に乗り入れた実績があります)。また、機関車牽引で非電化区間も運行できるようにディーゼル発電機を2基搭載しています。このため、前頭部の連結器は電車用ではなく、機関車と連結可能な密着自動連結器となっています。パンタグラフも狭小トンネル対応で、耐寒耐雪仕様です。

 走行性能は当時のE653系特急形電車に類似し、最高130km/h、起動加速度2.0km/h/sといったスペックも同じです。なお、「特別車両」はE257系、E653系、E657系に組み込まれて試運転が行われたこともあります。

 外観は品格を高く保つために「漆色」で、光線の当たり具合で色合いが変化する分光性塗料の「マジョーラ塗装」が施され、3本の金帯が配されています。実車を見ると、角度によって見え方が変わり、高級感のある色合いです。側面の一部機器類はカバーで覆われ、お召列車として運行するときは前頭部の連結器もカバーで覆います。

 E655系は6両編成ですが、うち5両の「ハイグレード車両」は営業上「グリーン車」という扱いです。車内は木目調のパネルが張られており、荷物棚はハットトラック式で「蓋」が付いています。座席は電動式リクライニングシートで1+2列。座席間隔は1160mmで新幹線のグリーン車と同じです。

 座席の表面には市松模様があり、上品な印象です。付帯設備は枕、レッグレスト、インアームテーブル、座席背面のマガジンポケット、ドリンクホルダー、読書灯、スポット照明と盛りだくさん。運行開始当時はこれに加え、各席にシートモニターが装備されていて、車内販売の注文、ゲーム、テレビ放送の閲覧、ビデオ・音楽のコンテンツが楽しめました(現在は撤去)。

 座席の座り心地は、JR東日本のグリーン車の中でもおそらく一番柔らかい座席で、グランクラスに通じるクッション性を感じます。座面は少しだけリクライニング時に沈みます。リクライニング時のレッグレスト展開にも無理はなく、筆者(安藤昌季:乗りものライター)が乗った際の会津若松→上野間の約5時間も疲れなく過ごせました。ただ、全体としては質実剛健な印象で、座席の横幅が非常に広いとか、インテリアが華美とか、そうした豪華さは感じません。

【至高の内外装】「なごみ(和)」の落ち着いた車内を見る(写真)

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