ロマンスカー史上“最高”の展望性が引退の理由に 時代に翻弄された小田急「HiSE」、実はまだ乗れる!?

小田急電鉄の10000形「HiSE」は、ロマンスカーの伝統を守りつつ、最大の展望性を備えた車両でした。長野電鉄に譲渡された現況も含めて紹介していきます。

一般席も景色を楽しみやすい

 小田急電鉄は、1987(昭和62)年の開業60周年に備えて、新型特急車両の開発を決めます。当時の特急の主力は3100形「NSE」と7000形「LSE」でした。特徴はいずれも、運転席を2階に上げて展望席を設けていること、シートサービスを行っていること。また、車両間に台車を配置する連接台車を採用することで、乗り心地に優れている点も「ロマンスカーの特徴」として認知されていました。

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小田急電鉄10000形「HiSE」の一部は、長野電鉄で1000系電車として現役(安藤昌季撮影)

 こうした特徴は全て受け継ぎつつ、さらなる進化を目指したのが10000形「HiSE」です。最大の特徴は、展望席ではない一般席からの眺望の良さでした。全ての客席からの展望性を確保するために、通常より床を高くしたハイデッカー構造を採用。中間車両の出入口には高さ18cmの階段が2段設けられていました。つまり、36cmかさ上げされた展望が楽しめるということです。

 側窓もLSEより高さを100mm拡大した900mmとし、幅は1600mm、窓と窓の間の柱は340mmと細くすることで、展望性を高めています。この辺りは、プライベート性を重視して窓を小さくする現代の特急車両と正反対の発想です。

 展望席の窓も、高さをLSEより50mm拡大した900mmとし、かつ後ろの列ほど50mmずつ座席の位置が高くなる「シアター式」とすることで、どの席からでも前面展望が楽しめるよう配慮しました。

 座席は、座席間隔が970mmの「回転クロスシート」です。LSEはリクライニングシートだったため「後退」したのかというとそうではありません。「LSEでリクライニングさせた時の座席角度」を通常とし、さらにバケットシートとすることでフィット感が増しています。また、棒式のフットレストも備えています。

 テーブルは、座席を向かい合わせた時に配慮した壁面の折り畳みテーブルがあり、2次車からは座席背面のテーブルが増備されました。なお、当時は客室常務員が各座席を回ってビュッフェの注文を受ける「走る喫茶室」のサービスを行っていましたが、HiSEは端末に入力する「オーダーエントリーシステム」を初めて導入し、注文から軽食・飲料の提供までを迅速化しています。

 車両性能は、設計最高速度が145km/hで、箱根登山鉄道(現・小田急箱根鉄道線)内の40パーミル急勾配にも対応する高性能を誇りました。

【展望性良し!】小田急ロマンスカー「HiSE」の車内を見る(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. エヴァンゲリオンにも出てたよね

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