「覚悟を持って提案します」 自衛隊の「空飛ぶ管制塔」=米国製の牙城を覆す? 防衛大手・サーブ日本人新社長に聞く
北欧の防衛大手サーブの日本法人に初の日本人社長が就任。東アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、新社長が日本の防衛力向上へ提案するものとして語ったのは、戦闘機ではなく早期警戒管制機「グローバルアイ」でした。
取材を終えて…堅実で「欠かせない存在」
長年サーブという企業を観察し続けて思うのは、進出した国で着実にビジネス基盤を築く堅実さがあるということ。そして、進出した国でひときわ脚光を浴びる海外企業の主役とはならないものの、その国にとって「欠かせない存在」になる、ということです。
宇梶氏の起用はそのサーブが日本市場を重視し、これから「欠かせない存在」を確固たるものにする意思表示なのは間違いありません。そこで、宇梶氏がグローバルアイを第一のセールス品目に挙げたのは注目すべきことです。
グローバルアイは2025年6月にフランスが採用を決めるなど、近年の早期警戒管制機市場における注目株です。しかし、日本は日米同盟の下、アメリカ軍とのインターオペラビリティー(相互運用性)を重視し、航空自衛隊の「眼」となる現在の早期警戒管制機はアメリカ製のE-767・E-2C/Dを使用しています。
とはいえ、ロシアによるウクライナ侵攻やアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃を見れば、世界の安全保障環境は混沌とし先行きの予測は困難です。日本は日米同盟を保ちつつも、ほかの同志国と結びつきを広く強めていかねばなりません。スウェーデンも日本にとっての同志国です。今後は、アメリカ製以外の防衛装備品が導入される機会は増える可能性もあります。
宇梶新社長が「覚悟」という言葉をインタビュー中に用いたのは2回。新社長として臨む姿勢とグローバルアイの提案で、でした。宇梶・新社長はアメリカ製以外の装備品の導入拡大を見越しているのかもしれず、サーブとスウェーデンが培った分散運用のノウハウは自衛隊にもメリットがあると考えていると思われます。
E-767の後継機への関心はいずれ高まるでしょう。その時に、サーブ日本法人がどのように動くのかが、日本がアメリカ以外の国と如何に連携を強めたかを図る指標にもなります。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。





SAABはかつて340の生産を突然終了し、海上保安庁の整備計画を狂わせる不義理を働いた過去があるから、今度は本当に「覚悟を持って」売り込まないと…
P-1かC-2にシステムを載せてくれるなら、良い。