近鉄王国に殴り込んだJR“俊足”快速のいま 2500円の「高コスパ」列車は新型導入で風向き変わるか
名古屋~伊勢市・鳥羽間を結ぶ快速「みえ」は、近鉄特急・急行に対抗する形で登場したJR東海の快速列車です。現在この列車はどの程度利用されているのでしょうか。
今も健在、快速「みえ」の実力を探る
現在、快速「みえ」は定期列車が13往復設定されています。なお、名古屋~鳥羽間は近鉄特急が3410円(1時間35~48分)、近鉄急行が2070円(2時間9~24分)、快速「みえ」が2500円(1時間47分~2時間8分)であり、所要時間と料金の両面で対抗可能な水準です。
2026年1月の火曜、鳥羽13時7分発の快速「みえ14号」に乗車しました。車両は2両編成のキハ75形0番台で、座席間隔940mmは一部の特急形電車を上回るグレード。転換式クロスシートとはいえ座席の座り心地は良好で、窓も大きくて気持ち良い車両です。トイレもあります。
車両の半分が指定席で、仕切りにも明記されていました。始発の鳥羽では指定席6人、自由席12人が乗車していました。伊勢市~鳥羽間はJR参宮線の方が近鉄よりも海が近く、景色も良好です。
13時20分、伊勢市に到着。ここで大勢が乗車し指定席は満席に。自由席も13時33分着の多気で立ち客が出る混み具合です。車内放送でも「混み合います」と案内されるほどでした。14時着の津では4分停車。20人ほどが下車し、15人ほどが乗車します。乗降人数を数えるのも難しいほどの混雑で、一時期のように4両編成の方が望ましいと思える乗車率でした。
津から伊勢鉄道に入り、線形の良い区間を高速で走ります。鈴鹿で数人が乗降し、四日市では10人ほどが乗車。14時38分、最後の停車駅である桑名を出発した時点では、指定席16人(満席)、自由席106人という盛況でした。
なお、キハ75形は2028年度から、ハイブリッド方式の新形式車両「HC35形」に置き換えられると発表されています。転換式クロスシートを中心としつつ、一部ロングシートを備える車両で、座席数はオールクロスシートのキハ75形より減少すると思われますが、混雑時を考えるとやむを得ないのでしょう。
ただ、他線での運用もあるとはいえ、最大2時間の乗車であり、指定席のリクライニングシート化は考慮されても良いと感じます。現状では進行方向に転換できない座席もあるため、指定席のグレードとしては不十分と感じられました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





いくら、高速化で時間短縮しても、座席の座り心地を良くしても、「電車」と「気動(ディーゼル)車」とでは、乗り心地が違うので、私なら「電車」のほうに乗るなぁ。