空母の甲板ど真ん中「謎の小部屋」がニョキッ!? 邪魔すぎる場所にある“絶対不可欠な設備”の正体

アメリカ空母の飛行甲板ど真ん中から突如せり出す「謎の小部屋」。戦闘機が行き交う邪魔な場所に、なぜわざわざ設けられているのでしょうか? 通称「バブル」と呼ばれる秘密設備の正体と驚きの役割に迫ります。

戦闘機に踏まれても平気!? 出たり引っ込んだりする「バブル」の秘密

 ICCSは、必要に応じて飛行甲板に突出させたり引き込むことができる隠顕(いんとん)式で、きわめて頑丈に造られており、突出時にうっかり艦上機が上を踏んづけてしまったり、事故で艦上機がぶつかって炎上しても破壊されない強度を備えているといわれます。

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空母「ニミッツ」からE-2C早期警戒機が射出された瞬間。赤い矢印で指したのがICCS(統合カタパルト管制室)である(画像:アメリカ海軍)。

 ICCSの内部には、主に艦上機の発艦に関連する情報に加えて簡単な艦の運行状況なども表示され、内部に座ったカタパルト発艦士官は、それらを確認しながら、安全かつ確実に艦載機を射出させることが可能です。また、ここは、万一NBC(核・生物・化学)兵器が使われた際は、外気を遮断し密閉することが可能であり、それらが大気中を漂っていても支障なく発艦させる役割も担っています。

 なお、ICCSはアメリカの原子力空母だけでなく、フランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」や、中国の最新空母「福建」にも設けられています。

 空母乗組員たちから「バブル」という通称で呼ばれるこのICCS、普段は邪魔にならないよう甲板下に収納されるため、見付けることができません。発艦作業を実施するときのみせり出してくる、まさに空母の飛行甲板に隠された「秘密の小部屋」と言えるでしょう。

【うわ、艦載機近っ!!】これがICCS室内からの景色です(写真で見る)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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