封鎖下のホルムズ海峡を突破・帰国した巨大タンカー「出光丸」! イラン大使館も称えた“70年前の歴史的事件”とは

2026年5月25日、中東情勢の悪化で封鎖状態にあるホルムズ海峡を特例で通過した巨大タンカー「出光丸」が名古屋港に入港しました。異例の海峡突破の背景には70年前の「事件」が関連していたのかもしれません。

異例の許可の裏に「日章丸事件」あり? 70年の時を超えた絆と今後の情勢

 今回、出光丸が厳戒態勢下のホルムズ海峡通過を通過できたことに関しては、イランと日本、双方でさまざまな情報発信がされました。とくに注目を集めたのが、駐日イラン大使館が4月29日に公式Xに出した投稿です。

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出光興産傘下の出光タンカーが保有する原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」(画像:出光興産)

 そこでは、1953年にイギリスが海上封鎖を行っている最中のイランへ出光が自社タンカーの「日章丸」を単独で派遣し、国際的な非難を浴びながらも海峡を突破して、石油輸出を行った歴史的事件「日章丸事件」の事例が紹介されました。

 当時のイラン国民を勇気づけたこの出来事が、70年以上の時を超えて今回の異例とも言える通過許可の背景にあるのではないかと、多くの憶測を呼んでいます。

 さらに同日、高市首相の公式Xでも出光丸の海峡通過を確認した旨が投稿されました。邦人保護の観点を含めて、日本関係船舶の通過を前向きな動きとして受け止めていること、そして日本関係船舶を含め全ての国の船舶が、ホルムズ海峡を自由で安全に通過できるよう、引き続きイラン側に働きかけることなどを伝えています。

 今回、出光丸に通過許可が出た件について、出光興産は詳細な説明を控えています。以前、同じく出光興産が所有するタンカーが、UAE(アラブ首長国連邦)のパイプラインなどを利用したホルムズ海峡の代替ルートで原油を日本に輸送した際、筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)が同社に質問をしたところ、「安全上の理由から、船舶の動線に関することは回答を控えさせていただきたい」との回答がありました。おそらく今回の出光丸に関しても、同じように厳戒な情報管理の対応が取られているのでしょう。

 アメリカとイランでさらなる合意が行われているという報道もありますが、中東情勢はまだまだ予断を許さない、緊迫した状況が続いています。ホルムズ海峡で動けずにいる各国のタンカーと船員たちが、このたび無事に日本へと戻ってきた出光丸とその乗員たちのように、一日も早くそれぞれの故郷に無事に戻れることを祈ってやみません。

【待望の石油だ!】ホルムズ海峡抜けて帰国した「出光丸」の全景です(写真で見る)

Writer:

愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。

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