ややこしすぎ? 京都にある「4つの嵐山駅」のワナ 間違えたら徒歩26分 4駅の違いは?
京都の人気観光地「嵐山」。この地区には「嵐山」を冠する駅が四つあるものの、それぞれの駅は隣接することなく離れています。なぜそうなったのか。四つの「嵐山」駅の特色を紹介します。
途中から「嵐山」が付いた嵯峨嵐山駅
阪急電鉄の嵐山駅は、1928(昭和3)年に新京阪鉄道(現・阪急電鉄)嵐山線の開通とともに開業します。開業当時は6面5線という巨大な駅でした。
この嵐山駅は桂川の南に位置し、京福電気鉄道の嵐山駅までは850m離れており、徒歩で約12分を要します。こうしたことからバス停は「阪急嵐山駅前」と名付けられています。駅名票には「嵯峨野」という副駅名も見られます。平均乗降人員は8378人(2024年)です。
2010(平成22)年に駅舎がリニューアルされ、京町屋をイメージした外観となりました。行灯風の駅照明といった凝ったデザインが用いられ、駅前も石畳風にあしらわれています。桜の木も植えられている美しい駅で、第2回近畿の駅百選にも選ばれています。
元々は「嵐山」ではなかった駅もあります。1897(明治30)年に京都鉄道の嵯峨駅として開業したJR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅です。同駅は、1907(明治40)年に京都鉄道が国有化されて官営鉄道の駅となります。その後、1912(明治45)年に所属路線が京都線から山陰本線に変更され、1987(昭和62)年からJR西日本の駅になりました。2面4線のホームを持ち、乗降人員は1万7080人(2023年)と利用客が多い駅です。
1988(昭和63)年に山陰本線京都口に「嵯峨野線」の愛称が付き、1994(平成6)年に「嵯峨嵐山駅」に改称されました。最も新しい「嵐山駅」といえます。京福電鉄の嵐山駅とは距離で700m、徒歩で10分ほど離れています。隣の嵐電嵯峨駅の方が距離で350m、徒歩で5分と乗り換えに適しています。
なお、2007(平成19)年までは京都鉄道として開業した当時のレトロな駅舎でしたが、京都~園部間の複線化に伴って橋上駅舎に改築され、現存しません。
「嵯峨嵐山駅」は嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」と隣接しています。こちらは、「嵐山」を冠していません。嵯峨野観光鉄道の「嵐山」を関する駅は別にあります。1991(平成3)年に開業した「トロッコ嵐山駅」です。山小屋風の駅舎を持つ有人駅で、JR嵯峨野線の分岐点と亀山トンネルの間に位置します。
トロッコ嵯峨(嵯峨嵐山)駅とは1km離れており、徒歩だと19分かかります。京福電気鉄道の「嵐山」駅までは1.1kmで徒歩15分、阪急電鉄の「嵐山駅」までは1.9kmで徒歩26分とかなり離れています。同じ駅名だから乗り換えられるだろうと考えたら、大変なことになります。京福や阪急に乗り換えるなら「トロッコ嵯峨」駅の方が便利です。
以上、嵐山に点在する4駅を取り上げました。どの駅も特色があり、整備された美しい駅です。嵐山観光の際に全駅を訪れるのも楽しいかもしれません。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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