自衛艦にも! 巨大船の横にある「謎の数字とマーク」なんのため? じつは「命を守る限界線」だった

船首や船尾の近く、水面ギリギリの場所に書かれた「謎の数字」。まるで巨大な定規のようなこの目盛りには、船の安全を守る極めて重要な役割がありました。いったいどのような仕組みなのでしょうか。

「喫水標」は船の健康診断書! 水面の位置で重さがわかる理由

 自衛艦をはじめ、港に停泊している貨物船やフェリーなど巨大な船を近くで見ると、船首や船尾の横側に、縦にずらりと数字が並んでいるのがわかります。これは「喫水標(きっすいひょう)」と呼ばれる目盛りです。

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自衛隊の輸送艦「ようこう」。赤い矢印で指し示したのが喫水標(画像:海上自衛隊舞鶴地方総監部)

 喫水とは、船体の最も下の部分から水面までの垂直距離のこと。この目盛りを読み取ることで、船がどれだけ深く水に沈んでいるかを一目で確認できます。しかし、これは単に「水深」を測っているわけではありません。

 この目盛りには、物理学の基本である「アルキメデスの原理」が応用されています。船が水に浮かぶとき、船の重さと、船が押しのけた水の重さ(浮力)は釣り合います。

 厳密な計算や船の諸元表を併用する必要はありますが、水面がどの数字にあるかを読むことで、その時の船の沈み具合から、おおよその積み荷の重さや燃料・水の量を含めた船全体の重さを見積もることができるのです。

 荷物を積めば船は沈み、数字は大きくなります。例えば、大型の貨物船では、満載時と空荷の状態で喫水が数メートル以上変わることも珍しくなく、その差がそのまま積み荷の重さの違いとして現れます。

 逆に荷物を降ろせば船は浮き上がり、数字は小さくなります。ベテランの航海士は、この数字と船の諸元表などを照らし合わせることで、クレーンによる荷役作業が計画通りに進んでいるかを監視しているのです。

 しかし、船の横側に書かれている「謎の印」はこれだけではありません。さらに重要な、船の「限界」を示す別のマークが隠されているのをご存じでしょうか。

【え、ダブルで書いてある!】これが「喫水標」が2つある自衛艦です(写真で確認)

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