自衛艦にも! 巨大船の横にある「謎の数字とマーク」なんのため? じつは「命を守る限界線」だった

船首や船尾の近く、水面ギリギリの場所に書かれた「謎の数字」。まるで巨大な定規のようなこの目盛りには、船の安全を守る極めて重要な役割がありました。いったいどのような仕組みなのでしょうか。

「これ以上は沈むな!」 船の命綱となる満載喫水線

 喫水標の近く、あるいは船体の中央付近には、円に横線が引かれたような不思議なマークが描かれていることがあります。これは「満載喫水線(まんさいきっすいせん)」、別名「プリムソル・マーク」と呼ばれるものです。

Large 20260710 01

拡大画像

進水前の輸送艦「ようこう」。喫水標がはっきりわかる(画像:自衛隊岡山地方協力本部)

 船には、安全に航行できる「沈んでいい限界」が決まっています。これを超えて荷物を積みすぎると、波をかぶりやすくなったり、復原力(傾いたときに戻る力)が失われたりして、転覆や沈没の危険性が一気に高まります。

 この限界線を超えて荷物を積むことは、法律で厳格に禁止されています。実際には、出港前に船長や航海士、港湾の検査官などが喫水の位置を確認し、この線を超えていないことを確認できなければ、船は出港できません。

 興味深いのは、この限界線が「海域」や「季節」、そして「海水か淡水か」によって細かく分かれている点です。淡水の線が設けられているのは、海水より浮力を得にくく、同じ重さでも船がやや深く沈むためです。

 一方、夏季線(S)や冬季線(W)などの違いは、水の密度差そのものというより、海域や季節ごとの波浪や風、着氷などの危険度を踏まえて、安全に沈んでよい喫水の余裕を変えているためです。

 そのため、マークには「夏季(S)」「冬季(W)」「淡水(F)」など、条件ごとの限界が刻まれているのです。

 19世紀のイギリスで、過積載による海難事故を防ぐために考案されたこの仕組みは、現代のハイテク巨船においても変わらず「物理的な安全の指標」として機能し続けています。

 次に船を見る機会があれば、ぜひ水面ギリギリの数字に注目してみてください。その数字の動きひとつひとつに、荒れ狂う海から船と乗組員、そして大切な荷物を守るための知恵が詰まっているのです。

【え、ダブルで書いてある!】これが「喫水標」が2つある自衛艦です(写真で確認)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開