「これはいい車両だ」登場41年の“料金不要”電車も残りわずか 夜行まで想定した乗り得車両の今
1985(昭和60)年に誕生した東武鉄道の6050系電車は、特色ある車両です。関東では珍しい料金不要の2扉クロスシート車で、一時は会津鉄道と野岩鉄道にも同型車が在籍していました。名車のこれまでの歩みと現在を紹介します。
野岩鉄道で活躍中の最後の6050系
また、6050系の廃車による車両不足が進んだ現在では、検査期間だけ野岩鉄道を中心とした普通列車運用にも従事しており「その期間はお客様が増えます」(野岩鉄道)といほどの盛況です。
なお、有料特急列車の車両としては非常に珍しい「窓の開く車両」でもあります。
2017(平成29)年に快速・区間快速が廃止されたことで、定期での浅草駅乗り入れと6両編成での運転がなくなり、日光線南栗橋以北と鬼怒川線、野岩鉄道、会津鉄道での運用となりました。長距離運行は特急「リバティ会津」の500系が担うようになり、6050系の廃車が始まったのです。
2022年、東武と会津鉄道が保有する6050系が廃車となり、現在は野岩鉄道の2編成と「スカイツリートレイン」の4両1編成(固定編成で分割は行わない)のみが残っています。なお、2022年にクラウドファンディングにより、野岩鉄道6050系の1両が畳と掘りごたつを備えた「やがぴぃカー」となり、さらに実物の運転台を「模擬運転台」として観光用に設置する改造が行われました。この際に、61103F編成のトイレは洋式に改められています。
なお、現状では「やがぴぃカー」の有料設定はなくなり、ほかの車両と共通運用されているため、鬼怒川温泉・新藤原~会津田島間の普通列車や区間快速で運が良ければ乗車できます。座席鉄の筆者(安藤昌季:乗りものライター)は「やがぴぃカー」に乗車しましたが、ちゃんと座布団もあり、足が伸ばせる、とても快適な車両でした。乗車していた利用客からも「これはいい車両だ。これならバスよりずっといい」といった声が聞かれました。「おかげさまでお客様からは好評をいただいております」(野岩鉄道)とのことでした。
せっかくの素晴らしい車両が活用されていないのは、惜しまれるところです。ホームページなどで運行予定を発表するとか、夜行列車運用をするなど、車両を生かした運用をしていただきたいものです。
6050系は1985(昭和60)年の登場から40年以上が経過し、いつ後継車両が登場してもおかしくはありません(あるいは500系で置き換えられるかもしれませんが)。首都圏から比較的近い場所で活躍する6050系。野岩鉄道のために誕生したこの名車の活躍を今のうちに見届けておくのもいいかもしれません。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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