きぬた歯科の元ネタ? 35年前から存在し都市伝説化した「台湾の顔看板」の人とは ご本人は健在!

西東京エリアを中心に見かける「きぬた歯科」の顔看板。台湾には、その元祖ではないかとも思える顔看板が、35年も前からあります。地元では日常風景となり、市長選挙のポスターにまで使われています。

台湾南部の「日常風景」であり「顔看板」の草分け

 西東京エリアを中心に関東、東海エリアなどの道路沿いで無数に目にする「きぬた歯科」の「顔看板」。看板設置数は300を超えるといわれ、近年、同様の顔看板があらゆる業者で広がっています。実はこの「顔看板」の元祖ではないかと思えるものが、35年も前から台湾に存在していました。

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関東圏で暮らす人なら誰もが知る「きぬた歯科」の「顔看板」(2026年、松田義人撮影)

 その元祖「顔看板」は、台湾南部の都市・高雄の漏水工事業者・陳財佑さんによるものです。

 陳財佑さんは1991年に自身の漏水修理会社「陳財佑治漏技研」を設立。事業をどのように広めるか策を練って思いついたのが、自身の学生時代(18歳頃)の写真を「顔看板」にし、工事用車両や街中に張り巡らせるというものです。この試みは大いにヒットし「台湾南部の日常風景の一つ」となるほどに影響を与えました。

 台湾南部の人の中には、遠方からの帰郷時に「陳財佑さんの『顔看板』を見ると、故郷に帰ってきた」と実感しホッとする人もいるそうです。

 また、今の台湾の都市部の交差点や街中には、「政治家の看板」「不動産業者の看板」など無数の「顔看板」が貼られていますが、1991年以前の各都市の景色を見返してみると、「顔看板」はほとんど見られません。きぬた歯科と同様、この陳財佑さんの広告が「顔看板の草分け」となり、台湾全土へと広まったのではないかと推測されるのです。

コスプレが続出、選挙ポスターにも!?

 SNSの浸透以降は、陳財佑さんの顔看板のコスプレが流行しました。中には「陳財佑さんのコスプレグッズ」を販売する人なども出始め、一大ブームになりました。

 このブームを受けてか、2022年の高雄市長選では当時の現役市長で立候補者の陳其邁氏が、陳財佑さんの顔看板のパロディ広告を作り注目を浴びました。

 陳其邁氏は立候補に際して、「18歳公民権(選挙年齢の18歳への引き下げ)」を主張しており、陳財佑さんの顔看板に使われている学生時代(18歳頃)の画像はメッセージ的に伝わりやすいとして採用しました。陳其邁氏は「あなたと一緒に、漏れてしまった青春をすくい上げる」というコピーを掲げ、陳財佑さんの漏水工事業になぞってスローガンを伝えました。

 特にSNSなどで若い層で支持を集め、陳其邁氏は市長を継続しました。ただし、強く掲げていた「18歳公民権(選挙年齢の18歳への引き下げ)」は否決され実現には至っていません。

【超有名人!】これが「台湾のきぬた歯科」的な看板です!(写真)

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