東日本に初登場! 異色の輸送艦「ようこう」海上自衛官が “たった2人” しか乗っていなかった理由
輸送艦「ようこう」が横須賀で公開され、民間車両の輸送を初披露しました。実はこの艦、乗組員のほとんどが「陸上自衛官」という異色の存在。急ピッチで拡充が進む陸海空の共同部隊「海上輸送群」の全貌と、今後の展望について詳しく解説します。
輸送艦の乗組員が陸上自衛官の理由
輸送艦「ようこう」は、前出の自衛隊海上輸送群で運用されています。この部隊は、陸・海・空の3自衛隊による共同の部隊という位置づけですが、乗組員は陸上自衛官ばかりでした。なぜでしょうか。
そもそも、自衛隊が南西諸島をはじめとする島嶼防衛を行うにあたっては、全国各地から島嶼部に自衛隊の部隊や装備品を輸送する必要がありますが、航空機による輸送に適さない重装備や一度に大量の物資を輸送するためには、海上輸送に頼らざるを得ません。しかし、海上自衛隊が保有する輸送艦艇は数が少ないうえに、艦艇の乗組員が慢性的に不足している状況が続いています。
そこで、2018年12月に策定された「中期防衛力整備計画(平成31年度~令和5年度)」では、統合運用体制のもと、島嶼部への機動展開能力の強化を目的として、陸・海・空自衛隊の共同部隊を新編することが決定。これを受け、自衛隊海上輸送群が新編されました。
そして、部隊新編に先立ち、陸上自衛官が「船乗り」になるため、さまざまな階級で志願者を集め、2019年から海上自衛隊の術科学校や「おおすみ」型輸送艦などで、艦艇の運航や機関の運転・整備、通信などに必要な知識・技能の修得が進められました。
ちなみに、令和7年版防衛白書には「自衛隊海上輸送群は、陸自の装備品や部隊運用の知見を有する陸上自衛官と艦艇運用の知見を有する海上自衛官とが協力して運用」すると記載されています。
しかし、陸上自衛官の「船乗り」育成は順調に進んでいることから、海上自衛官の比率は徐々に小さくなっています。「ようこう」の場合、現在の乗組員約40人のうち、海上自衛官は艦長と機関士の2名のみとのことです。





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