ロシア茨道の垂直離着陸機開発へ 一度は実用化、なぜその後継機は生まれなかったのか

後継高性能機、初飛行に成功するも…

 それからのちの1980年代後半、ソ連とヤコブレフはYak-38の汚名を返上すべく、Yak-38や「ハリアー」では不可能な超音速飛行も可能とする高性能な垂直離着陸戦闘機Yak-141を開発し、初飛行に成功させます。しかしその直後にソ連が崩壊したことによってYak-141の開発もとん挫、結局その実力は未知数のまま終わってしまいました。

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艦上垂直離着陸戦闘機として開発されていたXFV-12(画像:アメリカ海軍)。

 実のところ、こうした垂直離着陸戦闘機の開発失敗事例はソ連だけが特別だったわけでもなく、アメリカでさえXFV-12という一度も離陸できなかった失敗作を生み、フランスは名機ミラージュIII戦闘機をベースにリフトジェット8基を搭載したミラージュIIIVなる機体を開発し大失敗しています。

 前記したように、過去実用化に至った垂直離着陸機はわずか4機種のみであり、ロシアの次世代垂直離着陸戦闘機が成功作の第5例目として名を連ねることができるのかどうか、その動向には注目したいところです。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. ちなみにYak-141の試作機は空母バクー(アドミラル・フロータ・ソヴェツコゴ・ソユーザ・ゴルシコフと改名後、インド海軍に売却。STOBAR空母への魔改造の後就役)での発着試験の際の事故で喪失しています。ただし、ヤコブレフ社が超音速垂直離着陸機を開発するにしても、肝心のエンジンノズルの特許をアメリカに売却しちゃったからな(F-35Bのエンジンノズルに使用)。その点をクリアしないと無理でしょう。あとはどこの国が欲しがるかが問題。インドはあまり欲しがらない可能性が高いし(ハリアー系列で高温時の運用に限界を感じたとも)。中国はロシアの方で輸出したくもないだろうし。あとは意外とブラジルあたり?あまり売れそうにないかも。

  2. ロシア茨城ってどこだよ、と思った

  3. やはり、複雑化すると駄目。高機動性から短距離離着陸能力を獲得する方が現実的では?