F-15が目指したものとは 40年無敗のワケ、「面白味に欠ける」設計にアリ?
設計思想はガチガチに保守的?
1960年代、アメリカ空軍内部において「強い戦闘機とはどのような戦闘機か」という難題に挑むグループがありました。彼らのたどり着いた答えを簡単に説明するならば、「素早い旋回を行うための広い翼面積」をもち「どんな急旋回や急上昇でも機体を支える大パワーエンジン」を搭載し「全方位を見渡される視界の良いコックピット」を有し、そして「射程の長い空対空ミサイルに頼らず、格闘戦以外のすべてを捨て去る」というものでした。
彼らの思想はF-15の開発に強い影響を与えますが、最後の「格闘戦以外のすべてを捨て去る」という部分だけは取り入れられませんでした。1970(昭和45)年ころには性能に優れた空対空ミサイルが実用化されつつあり、これを捨てるリスクは、ひとつ前の戦闘機開発計画(F-111)が大失敗に終わっていた空軍にとって受け入れがたいものでした。
ゆえに次のF-15開発においては失敗が許されなかったため、あまり冒険せず、確実にできることのみが求められるようになります。結果としてF-15は、良くも悪くも優等生ながら突飛な特徴を持たない「面白みに欠ける」姿として完成することになったと言えます。
開発当初必要とされた「広い翼面積」や「大パワーエンジン」はF-15の大きな特徴となっていますが、実のところこれも目新しい要素ではありませんでした。F-15を開発したマクダネル・ダグラス社の前作にしてF-15の前のアメリカ空軍主力戦闘機、F-4「ファントムII」からすでにそういった思想が取り入れられていたのです。
強すぎてファンから憎まれた現役時代の 北の湖 関みたいな話
空中戦以外の全てを捨て去ったはずが、余裕のありすぎるパワーと広すぎる主翼を生かして戦闘爆撃機となったのは、なんだか皮肉。ついでに、それだけの最強機でありながらフライ・バイ・ワイヤでないのも特徴(一部機体は除く)。ただ、最強なのは、ただでさえも激強なイスラエル空軍が使いこなしたからかもしれない。
しかし、エンジン部品の問題がこれから尾を引いてくるかも。
小松基地で合ったF-15J同士のACM訓練中、サイドワインダーで撃墜されましたが何か?
ありましたありました。多分世界中のF-15にとっての黒歴史。
F-15がその大馬力と高い搭載能力で戦闘爆撃機の派生型が開発されたのは、まぁ理解できるけど、F-15以上(?)に空中戦に拘り、「格闘戦以外を捨て去った」のがF-16だったはずが……今や何でもやるF-15以上の馬車馬(or小間使いor便利屋)と化してしまったのは皮肉というか何というか。
F-15にしてもF-16系列機にしても今後を左右する問題が一つ。これは他のF-15がらみの記事で他の人も少しコメントていますが、よりにもよってエンジンの重要部品を作っていたアメリカのメーカーが、エンジン部品製作から撤退、唯一その部品をライセンス生産していた日本に供給を申し込んでいる、という現状。
品質はアメリカ本国のお墨付きだが、供給は大丈夫なのか?国産機向けで済んでいた生産ラインで、諸外国向けF-15、F-16系統のエンジン部品の供給が本当に出来るのか?
イーグルとファントムのプラモ作ってて気づいたが機首の垂れ下がり具合が似ていて、これがマクドネルの"血"だったのかと思った。
それにしても、両機ともに箱にはボーイングの許諾が。
分かっていても気分的には納得できないw