トヨタ「e-パレット」は世界をどう変える? 社会通念を揺るがすそのポテンシャルとは(画像25枚)

トヨタが「CES2018」にて発表した「e-パレット・コンセプト」は、人の価値観や自動車メーカーの在り方をも変えてしまうかもしれません。そのポテンシャルはもちろん、すでに具体的に動き始めている点にも注目です。

売りものは「クルマ」から「移動」へ?

 思い返してみればトヨタは、昨年秋の「東京モーターショー2017」で「すべての人に移動の自由を」と、ライドシェアなどに積極的な姿勢を見せました。昨年9月にはデンソーおよびマツダと組んで電気自動車を開発する会社を設立。12月にはパナソニックと車載用電池事業の協業の検討を発表。同じ12月には、新たなモビリティサービスの創造提供を行うトヨタモビリティサービス株式会社も設立。矢継ぎ早の動きの最後のピースとして登場したのが、「e-パレット・コンセプト」というわけです。

Large 20180118 01
用途にあわせた3サイズの「e-パレット」が街中を縦横無尽に走るイメージ。一部機能は2020年に実用化するという(画像:トヨタ)。

 トヨタは、こうしたサービスを2020年代前半にアメリカをはじめ、さまざまな地域でスタートさせたいといいます。また、2020年の東京オリンピックには、一部機能を搭載した車両も登場させるとアナウンスしています。

Large 20180118 02
移動・輸送手段としてはもちろん、飲食店舗やホテルなど、様々な用途を見込む(画像:トヨタ)。

 世界各地で無人EVによる、新サービスがスタートすれば、世の中のクルマに対する見方にも変化が生まれることでしょう。呼べば自動で自分のもとに走ってきて、目的地まで送ってくれる。この新サービスが、便利で簡単で低コストであれば、当然、多くの人が利用するようになります。また、ライバルもトヨタの独占を許すわけもありませんから、競合するサービスが登場するはず。競争があれば、進化も進み、さらに便利に低コストになります。そうなれば、クルマは「所有するもの」ではなく、「利用するもの」という考えが広まる可能性は大きいでしょう。そしてその先では、自動車メーカーは「クルマを売る会社」ではなく、「移動を売る会社」となるかもしれません。

 世の中を変え、自動車メーカーの存在意義さえも変化させる。そんなポテンシャルを持った発表が「e-パレット・コンセプト」だったのです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(25枚)

Writer:

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)

最新記事

コメント

6件のコメント

  1. 無人タクシーの普及で、マイカーが地方における「生活必需品」でなくなってしまうと

    自家用乗用車が「嗜好品」という扱いになってしまい増税対象になる気がします

    「移動の自由を」というのであれば公共交通機関に縛られず、

    マイカーを「持つ自由」高速にのって「長距離旅行できる自由」も維持してほしいですね

    • いや、マイカーはそう簡単には絶滅しないでしょう。いくらなんでも人の身長位ある大型犬はタクシーには乗れないし。それに案外住宅街って交通不便なところにあるし。意外と知られていないけどタクシーにも時間制限あるし。あれやこれやを考えれば、少し心配しすぎでしょう。

  2. 今の車には全く興味ナシ自分は旧車派なので今の車には全く価値が感じない。それに環境だとか言ってるがそれは、見せかけ

    何故ならモーターとかバッテリーその他の部品の製造に一体どれだけのエネルギーを使うのか?又使用済のバッテリーの廃棄それこそ環境破壊では。又そんな車を高額で購入して5年も使用したらバッテリーの交換で高額な費用何処がエコなのか?

    ただ騙されてるだけ。つまりガソリン車こそが環境に優しくエコな訳です。

    • 大量のガソリンの爆発炎上時には大惨事になるが。もともとガソリンエンジンが発明されるまで、ガソリンは危なすぎて用途がない厄介者だった、と何かで読んだ記憶があります。

    • 全く同感です。

      今の段階では、電気自動車は大嫌いです。

      事故。故障の時に、エンジンカーのような簡単なメンテが全くできない。

      簡単にけん引もできない、雨の時事故すれば、周囲の人間巻き込んで感電させる可能性も否めない。

      ユーザーにも危ないだけで、メリトが感じられない。

      ただ、このe-パレット・コンセプトは、面白いと思います。

      エンジンカーで追求していただきたい。

  3. ライドシェアやカーシェア、若者の車離れとか、全部作られた情報操作。

    フツーに考えれば、東京などの超巨大都市は今も昔も車を持つのは至難だったよね、駐車場代を考えれば。しかし、車を買う人たちのほとんどが郊外の人たちで、車が無ければ自転車、バス、電車を今でも使っている。こういうシステムを作る必要性は初めから無いんだけど、無人自動車を普及させるにはこう言う使い方があるんじゃね?的な提案なんでしょ。マイカーが売れないのは買い替えサイクルが長いだけ。地方はほとんど一家に2台3台普及してる。自分が買わなくても親の車を乗り回せばいい若者なんて五万といる。それだけの事。なぜ、そういうリアルな現実を無視する報道が多いのかね。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス