自動運転中の事故、責任の所在は? 運転者の過失は生じるのか 損保会社に聞く

自動運転技術が一部実用化され、無人運転の実現に向け実証実験も進められていますが、こうした自動運転中に事故を起こした場合、責任の所在はどのようになっているのでしょうか。現在、そして未来について損保会社に聞きました。

現行の自動運転技術は「レベル2」

 現在、世界中の自動車メーカーが自動運転技術の開発に注力し、日本でもさまざまな実証実験が行われています。

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GM(ゼネラル・モータース)がシボレー「ボルト」をベースに開発した、ハンドルもペダルもないクルマのイメージ。2019年の実用化が目指されている(画像:GM)。

 ひとえに「自動運転」といっても、レベル1からレベル5まで5段階があり、現在、日本で市販されているクルマに搭載されているのは、レベル2までの技術です。レベル1は、自動ブレーキやACC(アブダクティブ・クルーズ・コントロール。車間距離を一定に保ちながらクルマが定速で自動走行する)などのいわゆる「運転支援」技術、レベル2は、同一車線における自動操作や、車庫入れの自動化といった要素を含む部分的な自動運転化で、たとえば一部の日産車やメルセデス・ベンツ車などに採用されています。

 現状の自動運転技術における事故責任の所在や、本格的な自動運転となるレベル3以上の自動運転が実用化されるであろう将来における保険のありかたについて、損害保険大手の損保ジャパン日本興亜(損害保険ジャパン日本興亜)に聞きました。

――現状、レベル1、レベル2の自動運転中における事故は、どのように扱われるのでしょうか?

 ドライバーが運転の主体であるため、ドライバーの過失になり、現行の自動車保険で支払いの対象となります。

――そもそも自動運転機能搭載車に乗っている場合、保険料や等級などは異なるのでしょうか?

 現状では自動運転機能搭載車について保険料や等級に違いはありませんが、関連する割引として、2018年1月から、衝突被害軽減ブレーキの付いた車の保険料を9%割引く「ASV(先進安全自動車)割引」を各社で開始しました。

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コメント

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2件のコメント

  1. 衝突軽減やVSCを装着する目的が税金や保険料の軽減に傾いてる気がしますがね、因みにカメラを合体させたフロントガラスなどは社外品の開発が追い付かない状況で仮に飛び石など車検を通過できないような被害がある場合は純正品でないと対応できない現実な他ど様々、こんな影の部分ですら歴代車に比較して安全装置を装備した最新の車は現時点では部品が高価と言った問題もあって、更に自動運転の責任の問題に加えて世間で言われるような道路の流れに乗るか否か?の速度制限厳守の問題やら乗り越えなきゃならん問題が多いと言うか?自動運転やら車の存在意義に車自体を個人や法人が所有していく形が今後も続くのか?など自動運転に関して何かと後回しにされた問題もあるし、そもそも自動化に着手するのが遅かったのではないかとアタシ個人はそう感じますがね

  2. 「機械になんて任せられない!微塵も信用できない!」
    自動車の自動化、運転支援システムのニュースには大抵こういう人が沸く。
    では、鉄道は?飛行機は?船舶は?
    これらは過去60年の間でコンピューターや安全システムの採用で、より安全になっていった。
    誰一人として、「60年前の熟練した運転・操縦・操舵手の方が、安全」と言う人は居ないだろう。
    高速道路上の事故は、その80パーセント近くが「追突事故」「(車線逸脱を起因とする)事故」だ。
    これらは、「レーンキープアシスト」「自動加減速クルコン(ACC)」の搭載でほぼ根絶できる。
    長距離ドライバーの負担も軽くなり、過労による居眠り運転も抑制できる。
    登り坂の自然減速によるダンゴ渋滞も減る。
    渋滞が減るから渋滞最後尾への追突事故も減る。
    事故が減るから事故渋滞も減る。
    もう「根性論」は通用しません。高速道路だけでも、自動化を推進すべきです。