海自「いずも」空母化するには? ヘリ護衛艦、どんな改修が必要になるのか

「いずも」空母化の構想から読み取れるものとは?

「いずも」の空母化とF-35Bの導入を検討するのは、中国の海洋進出の脅威に対する防衛力強化の一環だといえます。そしてF-35Bや「オスプレイ」など海兵隊と共通の装備品を調達することは、アメリカ海兵隊と自衛隊の相互運用性と即応力の強化を図る意味も読み取れます。その一例として島嶼部の防衛を主とした、日本版海兵隊といえる、陸上自衛隊の西部方面普通科連隊に新設される水陸機動団は、アメリカ海兵隊と共通装備のAAV7水陸両用兵員輸送車を運用しています。

 また海上自衛隊では全通甲板を有する輸送艦「おおすみ」の後継として強襲揚陸艦を建造するプランも浮上していると言われており、島嶼部の防衛に特化するべく自衛隊の海兵隊化が進んでいることが見えてきます。

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スキージャンプを持つイタリア海軍の軽空母「カヴール」(画像:イタリア海軍)。

 今後、「いずも」の空母化を試金石とし、F-35Bの運用に特化した空母を新たに建造するのか注視したいところです。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. まず、F35Bを調達出来るのかハッキリさせるべき。アメリカがこれを売却すると約束しているのですか?空母化議論より購入できるかどうかが先でしょう。

  2. 今の中国の軍事増強からして いずも かが 2隻てどは必要

  3. へり運用艦「空母化」の論議は、昔からの日本の悪い習性から脱却していない。保守&補給&維持等支援体制の重要さを全く無視し、又艦隊というものも認識せずに1隻の艦についてのみ論じている。個々の艦についても又各任務部隊についても、必ず運用期間・保守整備期間・再教育訓練期間を経て再び運用に入る。この為同一艦種は最低でも3隻は必要で、複数の弾力運用目途すると現行の同型4隻&4部隊体制でもやりくりはギリギリと思われる。出雲型を改造したとして、それだけ費用と時間をかけて今まで通りの運用という訳に行かないが、ようやく整ったヘリ部隊による哨戒監視・警戒・情報収集の体制に穴をあけてどう繕うのか?結局代わりのヘリ運用艦が必要になる。そもそも改造というのは全く割に合わない行為で、現代の目的を特化して精緻に作られた艦に手を加えるくらいなら、そして本当に「空母」が必要なら新造した方がはるかに良い。母艦タイプは大きさの割にはイージス艦より安価なのを認識していない方が多いようだが、逆に空母運用には護衛艦群はもとより、補給部隊(給油+武器・武具・備品)の整備、寄港時の航空隊の基地確保等多方面のインフラが必要な事も心得るべきである。そもそもその航空隊が未整備で、これについても戦闘機だけでは役に立たない。現代は電子戦闘指揮機は不可欠、偵察機・空中給油機等全てチームで機能する。艦艇と同様、保守・訓練等予備機がやはり必要である。重ねて記すが空母部隊も最低3個、現実運用では4部隊必要となる。何よりも「空母」論議には戦略・戦術面からも根幹に及ぶ認識を共有する必要が有り、その上で費用対効果を含めて可否を論ずべきである。

    • ごもっとも。長文乙。

      > 現代の目的を特化して精緻に作られた艦に手を加えるくらいなら

      いずも型建造の目的には、F35B運用艦への改造が可能である事も含まれていて、それにあわせて精緻に造ってる様にも思う。公表はしないだろうけど。