国産哨戒機P-1、輸出はあるか? 仏独エアショーでお披露目、背後に渦巻く各国の思惑

海上自衛隊のP-1哨戒機は国産機ですが、仏独のエアショーに展示したのは、もちろん輸出の目を探るためです。とはいえ、そこには世界各国の思惑が渦巻いており、一筋縄ではいきません。現状を解説します。

仏独が独自の道を模索するふたつの理由

「パリ航空ショー」では地上展示のみが行なわれましたが、「ベルリンエアショー」ではデモ飛行も行なわれており、おそらく「パリ航空ショー」の時よりも、さらに注目度は高かったのではないかと思います。

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2017年の「パリ航空ショー」にて、外国人向け説明会でP-1をアピールする若宮健嗣防衛副大臣(当時)(竹内 修撮影)。

 同じNATO(北大西洋条約機構)に加盟するイギリスとノルウェーがP-8Aの導入を決めたにもかかわらず、フランスとドイツがP-1をはじめとする、別の哨戒機の導入を模索しているのには、ふたつの理由があります。

 P-8Aを導入する場合は、搭載する電子装置なども含めて丸ごとアメリカから導入しなければなりませんが、航空機に搭載する電子機器などのトップメーカーであるタレスを抱えるフランスにとって、これは容認するのが難しいといえます。またフランスは哨戒機の「キモ」と言うべき、独自に収集した潜水艦の音紋などのデータベースの統合にアメリカ企業が関与することを、機密保持の観点から好んでいないようです。

 もうひとつの理由はP-8Aが、ボーイングのベストセラー旅客機である「737」をベース機としている点にあります。民間機市場においてボーイングの最大のライバルであるエアバスは元々、フランスとドイツが出資して設立された企業です。同社の単通路型旅客機「A320」シリーズは、同じ単通路型旅客機の「737」と市場で激しいつば競り合いを演じています。

 現在のエアバスは完全な民間企業ですが、仏独の経済において大きなウェイトを占めています。雇用の確保の面でも、また民間機市場に与えるイメージの面でも、フランスとドイツが軍用機型とはいえ、ボーイング737をベースに開発されたP-8Aの導入を避けたがるのは、当然のことと言えるでしょう。

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