国産哨戒機P-1、輸出はあるか? 仏独エアショーでお披露目、背後に渦巻く各国の思惑

海上自衛隊のP-1哨戒機は国産機ですが、仏独のエアショーに展示したのは、もちろん輸出の目を探るためです。とはいえ、そこには世界各国の思惑が渦巻いており、一筋縄ではいきません。現状を解説します。

P-1はやっぱり売れないかもしれない大きな理由

 現時点でP-8A以外には、フランスのダッソー・アビエーションがビジネスジェットの「ファルコン900」をベース機とする哨戒機「ファルコン900MPA」、エアバスのC295輸送機をベース機とする「C-295MPA」、リージョナル旅客機のATR-72をベース機とする「ATR72MP」などが候補機となりますが、フランス、ドイツの両海軍はこれらよりも飛行性能の高い哨戒機を求めているようです。

 そこで最初から哨戒機として開発されているため能力的には申し分がなく、フランスやドイツのメーカーが開発した電子機器などの搭載が可能なP-1が、候補として浮上してきたというわけです。

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アメリカ海軍のP-8A哨戒機。オーストラリア、ノルウェー、インドにも採用されている(竹内 修撮影)。
ダッソーが開発を進めている「ファルコン900MPA」の大型模型(竹内 修撮影)。
P-1が搭載するF7-10ターボファンエンジンの試作型XF7(竹内 修撮影)。

 ドイツとフランスは新型哨戒機を共同開発することで一致していますが、ロイターは日本政府関係者がこの新型哨戒機のベース機にP-1を提案するため、ドイツ、フランスの国防当局に接触したと報じています。

 ロイターはさらに、日本政府関係者が「スペインなどほかの欧州諸国が導入したとしても調達数が限られるだろうから、(機体そのものを輸出するよりも)P-1の技術を生かすほうが効率的だ」と語ったと報じており、これは一理あるのですが、実際にP-1が新型哨戒機のベース機として採用される可能性は、あまり高くないのではないかと筆者は思います。

 その理由のひとつは、P-1の動力である「F7-10」ターボファンエンジンにあります。

 F7-10は強度の高いチタン合金などを多用したことで、塩害による腐食や鳥の衝突(バードストライク)による損傷を受けにくく、低騒音かつ環境性能にも優れたエンジンですが、P-1のほかに採用している航空機はありません。もしヨーロッパ諸国にP-1が採用された場合、エンジンメーカーのIHIが独自にサポート網を構築しなければなりませんが、それは容易なことではありません。

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