国産哨戒機P-1、輸出はあるか? 仏独エアショーでお披露目、背後に渦巻く各国の思惑

海上自衛隊のP-1哨戒機は国産機ですが、仏独のエアショーに展示したのは、もちろん輸出の目を探るためです。とはいえ、そこには世界各国の思惑が渦巻いており、一筋縄ではいきません。現状を解説します。

欧州諸国の哨戒機、最有力候補は…?

 エアバスは2018年2月に開催された「シンガポールエアショー」で、A320シリーズの最新型「A320neo」をベース機とする洋上哨戒機を開発する構想を示しています。

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エアバスのA320neo。プラット&ホイットニー製エンジン搭載モデル(画像:エアバス)。

 旅客機であるA320 neoをベース機とする洋上哨戒機は、やはり旅客機である737をベースとしているP-8Aと同様、洋上の低空飛行能力ではP-1に及ばず、潜水艦の発する磁気を探知する「MADブーム」を装備しない可能性が高いことから、潜水艦の捜索能力でもP-1より劣るものになると考えられます。

 しかしこれまでに4500機以上の受注を獲得しているA320neoをベース機とした場合、すでに構築されているエンジンを含めた部品のサポート網が活用できますし、フランス、ドイツ両国の雇用の確保、ライバルのボーイングに対するアピールといった点などから、フランスとドイツはもちろん、2017年7月に新型哨戒機の導入で両国との協力協定を締結したスペインやギリシャ、カナダといった国々も、この哨戒機を導入する可能性が高いと筆者には思われます。

 このようにP-1のヨーロッパ諸国への輸出の道のりは厳しいものですが、「ベルリンエアショー」と「パリ航空ショー」で、P-1が日本の航空技術力の高さを示したのは間違いありません。またショーに参加したP-1の乗員の方々が、アメリカ以外の国々の技術のトレンドに接する絶好の機会となったことも確かですし、今後も積極的に海外の航空ショーに参加して欲しいものです。

【了】

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