ハンドルの「すえ切り」クルマを痛める? メーカーに聞く、実際の負担、注意点
クルマを停止させたままハンドルを回す「すえ切り」は、クルマに負担をかけるため望ましくないと言われます。実際、クルマにかかる負担はどの程度なのでしょうか。
当然負担はかかるが、許容範囲も
クルマを停止させたままハンドルを回して前輪の向きを変える操作、いわゆる「すえ切り」は、クルマのタイヤや操舵系などに負担をかけるため、「するべきではない」という声もしばしば耳にします。
ただ、狭いスペースで車庫入れをする場合は、「すえ切り」を行うことで停止状態のまま前輪の向きを大きく転換でき、切り返しの回数を少なくできます。また、駐車に慣れていない初心者の場合、方向転換の操作を間違えないために「すえ切り」を行うこともあるでしょう。
昔はハンドルの操舵力を補助するパワーステアリング機構(パワステ)を搭載しないクルマがほとんどで、停車中はハンドルが非常に重く、そもそも「すえ切り」を行うこと自体が困難でした。現在ではほとんどのクルマにパワステが搭載され、停車状態での「すえ切り」は簡単にできるようになっています。
実際のところ、「すえ切り」によってタイヤや操舵系にどのような負担がかかるのでしょうか。
まず、タイヤへの負担についてブリヂストンに聞いたところ、当然といえば当然なのですが、やはりタイヤの摩耗について指摘がありました。
「もともと、タイヤは車両に対して一定の角度(キャンバ角)をつけて装着されています。そのため、『すえ切り』を行うとタイヤのショルダー(両肩)部分に負荷がかかりやすくなり、高い頻度で行うとその部分に摩耗が発生する可能性があります」(ブリヂストン 担当者)
ブリヂストンによると、ショルダー部分での摩耗が進んでいけば、当然タイヤの寿命も短くなりますが、クルマの前後左右のタイヤを入れ替える「ローテーション」を定期的に行うことで、摩耗の偏りはある程度是正でき、タイヤの寿命をのばすことにもつながるといいます。
パワステの無い時代は当たり前に動きながらしかハンドルは切れなかったし切らなかった。便利になりすぎた社会が車の扱い方まで知らない世代を作った、功罪ですかね~
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