ご長寿艦「ラジャ・フマボン」の数奇な生涯 海自にも縁深いフィリピン海軍元旗艦とは

お役ご免のはずが…フィリピンで主力艦艇へ

 海上自衛隊からアメリカ海軍へ返還された時点で、「はつひ」と「あさひ」は艦齢30年を超えており、お役ご免となるはずだったのですが、海軍力を強化したいものの、財政的に余裕の無かったフィリピン海軍が譲渡を希望したため、2隻は同じキャノン級でアメリカが保管していた「ブース」と共にフィリピン海軍に引き渡されることになります。こうして、前に述べたように「はつひ」は「ラジャ・フマボン」、「あさひ」は「ドゥツ・シカツナ」、「ブース」は「ドゥツ・カランチャオ」として、フィリピン海軍で新たな任務に就きました。

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護衛艦「あまぎり」から撮影された「ラジャ・フマボン」。2018年2月に「あまぎり」と最後の共同訓練を行なった(画像:海上自衛隊)。

「ドゥツ・カランチャオ」は不幸にも1981(昭和56)年の台風に伴う事故で失われ、「ドゥツ・シカツナ」は1988(昭和63)年に退役。「ラジャ・フマボン」も1980(昭和55)年に一度退役したのですが、フィリピンに新型艦艇を導入する予算が無かったことから、1996(平成8)年に再び現役に復帰しています。

 それからグレゴリオ・デル・ピラール級が就役するまでの15年間、フィリピン海軍で最も大きな水上戦闘艦として存在感を発揮し続けた「ラジャ・フマボン」は、アメリカ海軍や海上自衛隊との共同訓練にもフィリピン海軍の「顔」として参加したほか、2007(平成19)年に公開された映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』にも、アメリカ海軍の軍艦役として参加するなど、老骨に鞭打って働き続けました。

 フィリピン海軍は「ラジャ・フマボン」に対艦ミサイルを搭載して、現役に留めることを検討していましたが、2016年にグレゴリオ・デル・ピラール級3隻が揃い、さらにより能力の高い水上戦闘艦を導入する予算確保の目処がついたことから、「ラジャ・フマボン」は2018年3月15日をもって、フィリピン海軍での使命を終えています。

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