「リムパック2018」はここに注目! 米海軍主催の合同軍事演習、その概要と要点
もちろん世界情勢を大きく反映
「リムパック」は、太平洋に面する国々や欧州などの軍隊が一堂に会し、お互いの国同士を理解しあうめったにない機会です。そこで作り出された現場同士の信頼関係は、有事の際のスムーズな連携には欠かせないものです。また、このように多くの国々の軍隊と自国の軍隊を一緒に訓練する機会はほかになく、そこで行われる砲やミサイルを発射する戦闘訓練から機雷を取り除く掃海訓練、さらに怪しい船舶を停止させて乗り込む訓練や災害対処を想定した訓練などを通して自国の軍隊の実力を向上させる、またとないチャンスともなります。
「リムパック」は政治に左右されることも
基本的に「リムパック」は多国間の連携強化を目的としていることは先に述べた通りですが、時として「リムパック」は政治的な情勢に左右されることもあります。
たとえば、1971年の第1回以来何度も「リムパック」に参加してきたニュージーランドは、1985(昭和60)年にアメリカの核兵器搭載可能な駆逐艦の自国への寄港をめぐり、ニュージーランドの反核政策との関係でアメリカと衝突することとなり、以降長らく「リムパック」への参加を取りやめてしまいました。
また今年の「リムパック2018」では、2014年から「リムパック」に参加した中国が、南シナ海での人工島建設やその軍事化を推し進めたために、そうした行動が「リムパック」の目的にそぐわないとして招待を取り消されてしまいました。
確かイギリスが1986年から飛び飛びで参加している。