「指名買い」される高速バスはここが違う! 群雄割拠の夜行路線、ブランド戦略あれこれ

近年、大都市どうしを結ぶ高速バス路線では、多数の高速バスをウェブサイト上で比較したうえで予約することが定着しました。ライバルではなく、自社便を選んでもらうにはどうしたらよいか――各事業者が様々な戦略を練っています。

予約サイト名ではなく「事業者名」を覚えてもらうには

 次のステップとして、なるだけ自社の名前を憶えてもらい指名買いしてもらうことが必要です。サイト上で比較されるばかりではすぐ他社に「浮気」されてしまううえに、外部サイトへの送客手数料負担も大きいので、次回以降はできれば自社(直営)サイトから予約してもらうよう促します。

 具体的には、「覚えやすいブランド名称」と「印象的な車両塗色(カラーリング)」を用意します。都心のバスターミナルで「予約サイトの名前は憶えているのに、自分が選んだバス事業者名がわからず困っている」利用者を見かけますが、彼らもサービスエリアでの休憩の際は車両塗色を頼りに車両に戻るので、色は絶対に覚えます。つまり、塗色とブランド名称と関連させれば記憶につながる確率が上がるのです。たとえば兵庫県の神姫観光バスは2017年、夜行高速バスのブランドを「LIMON(リモン)」に変えるとともに、全車両の塗色と一部車両の内装を鮮やかなレモンイエローに変更しました。「LIMON」は「レモン」と「リムジン」を合わせた造語です。

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「LIMON」の一部車両はシートも黄色(画像:神姫バスツアーズ)。

 さらに事業者は、自社サイト経由の予約比率を上げるため、「FGP(Frequent Guest Program/頻繁なリピーター向け特典プログラム)」を充実させます。「VIPライナー」を運行する埼玉県の平成エンタープライズは、2012(平成24)年、国内最大級の共通ポイントである「Tポイント」を導入しました。運賃の1%相当のTポイントが付与されるうえ、自社サイトから予約した場合はさらに1%分が上乗せされます。Tポイントは、利用者にとってはコンビニなどでも使えて便利ですし、事業者側でも、運営会社に広告費を払えば、現住所や年齢などの属性を限定して割引クーポンを発行するなど、会員へのプロモーションに活用できます。

 これとは逆に、自社独自の会員プログラムを充実させているのがウィラーです。自社サイトからの予約だけが対象で、またTポイントのような共通ポイントと比べると同社のバスでしか使えない点は不便ですが、そのぶん、割引クーポンを発行するなど実質的な還元率を大きくすることができます。さらに、年間の利用回数などによって会員をグレード分けし、上級グレードになると「当日、空席があれば無料でアップグレード」といった特典が得られたり、年会費1080円を払ってプレミア会員になれば常に300円引きで予約できたりします。

 帰省などで何度も高速バスを利用するリピーターにとってはお得感が大きい制度です。事業者側にとっても、リピーターが常に自社便を選んでくれ、さらに自社サイトから予約してくれるなら、総合予約サイトへ支払う送客手数料などを考慮するとメリットも十分にあるでしょう。

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コメント

6件のコメント

  1. ドライバーの所属、車両の所有権に使用の本拠の位置、料理屋言っても調理師免許提示してあるよ~

  2. 車体の色を覚えてもらうのが有効な戦略なのならば、一時的なラッピングって逆効果だよね

  3. 群雄割拠の後には天下統一して欲しい所だが

  4. 高速ツアーバスからの「移行」事業者は今でも絶対に利用しない。

    あくまでも昔から公共交通事業者として運営している「JR系」「電鉄系」「バス専業」等の老舗事業者しか選択肢にはなり得ません。

    多少は割高であっても、高速バスの収入で地元ローカル路線などの維持(穴埋め)などに活用されている事例も多々であり、安全確実の面ダケでなくチョットした差額が地域にも貢献できると思えると気持ち的にもプラスです。

    昨今は「今さえ良ければ・・・」「自分さえ良ければ・・・」が主流になりつつあり、残念にさえ思えてしまうのですが。

  5. 何で毎度の事に実際の事業認可を受けてる業者名を公表しないのでしょうかね?

    事故るとすぐに出すくせに

    昔は車体の一角に事業者名を貼り出す義務がありましたけどいつの間にか貸し切りか、乗り合いの掲示義務だけになりましたよね

    ウイラーブランドのバスが東名阪で横転した時も請負会社のドライバーの11日連続勤務が明るみになりましたが

    バス停の定義他、路線認可を場当たり的に数合わせをすれば現場のドライバーに負担がいくのは当たり前で

    それとウイラーバスの日本高速バスってどんな組織なんでしょうか?

    物流ではトラックを保有しない仲介運送業なんてのがあるようですが

  6. WILLERは鉄道も経営している「鉄道系」事業者ですけどね。鉄道の割合が低いって?大手私鉄で東京メトロを除く事業者は鉄道事業の収益なんて軒並み3割程度ですよ?まぁ大手私鉄の高速バスは一時に比べてかなり減少しましたよね。WILLERにしても京成バスや千葉交通、奈良交通と組んで運行してたりしますしね。

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