鉄道運賃、首都圏大手私鉄で安いのは JRは定期の割引率で勝負?
定期運賃はさらに逆転
ここまで普通乗車券(IC運賃)の利用を前提に運賃を比較してきましたが、定期乗車券で比較するとこの関係は大きく変わります。定期運賃の区分や割引率が各社で異なるからです。
たとえばJR東日本、東急、小田急にはそれぞれ普通運賃が216円の区間がありますが、定期運賃はJR東日本が6460円(割引率50%)、東急が8130円(37%)、小田急は7110円(45%)~8150円(37%)です。
JR東日本(30km超)と小田急は普通運賃とは違う区切りで定期券運賃が決められています。また、JRは私鉄と比べて定期券の割引率が高いことが分かります。
この結果、JR東京駅発の定期運賃を比較すると、普通乗車券利用のときよりも遠くまで行かないと定期運賃は割安にはなりません。つまり、定期券を利用するならJRの方がおトクな区間が増えるということになるのです。
鉄道の運賃制度は非常にややこしく、この他にも特定の区間を利用するときだけ適用される割引などもあります。つまり、ある路線の運賃が高いか、安いかという問題は、どの駅を利用しているのか、定期券を利用しているのかで、大きく変わってくることが分かります。
いまは乗り換えアプリなどですぐに普通運賃と定期運賃を調べることも可能です。引っ越しを検討されている人は、意外とイメージとは違う「穴場」が見つかるかもしれません。
【了】
コメント